MIXI「家族アルバムみてね」の海外パフォーマンスに大きく貢献。 TikTok 広告の最新クリエイティブソリューションとは
動画広告市場が隆盛期を迎えるなかで、ひと際存在感を高めているのがTikTok広告だ。全世界2300万人が利用している家族向け写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね(英語版名称:FamilyAlbum)」を提供するMIXIは、海外ユーザー向けにTikTok広告を活用し、CPAの改善をはじめ、CVR/CTRの向上を達成しユーザー拡大に貢献した。
成功の秘訣は、TikTok for Businessが新たに提供を開始した、クリエイターへ動画制作を簡単に依頼できるソリューション「TikTok Creative Challenge」(以下、TTCC)だという。どんなブランドでもスピーディーかつ効果的にTikTok広告を量産できるサービスであり、今、インハウスのブランドマーケターやエージェンシーから大きな注目を浴びている。
今回は、株式会社MIXI みてねマーケティング部のメーガン・ディック氏とTikTok for Business Japanの髙橋賢次郎氏が対談。TikTok広告を活用した印象や成果を聞くとともに、TTCCの可能性についても探った。
※このインタビューはDIGIDAYにて2024年12月24日に広告掲載したものです。
新米ママ・パパへのリーチのしやすさを感じた
DIGIDAY編集部(以下、DD):まず、「家族アルバム みてね」について、どのようなアプリなのか教えてください。
メーガン・ディック(以下、メーガン):「家族アルバム みてね」は、ママ・パパが撮影した写真や動画を、祖父母や親戚といったグループのみで共有できるアプリです。写真と動画が無料・無制限でアップロードできるため、子どもの日々の成長を気軽に記録できるツールとして多くの人に利用していただいています。
また、アップロードした写真や動画に対して気軽にコメントし合うことができるので、家族間で新たなコミュニケーションが生まれるのも特徴のひとつですね。2024年10月現在で、利用者数は全世界2300万人を突破し、現在7言語175カ国・地域で利用されています。
メーガン・ディック/株式会社MIXI みてねマーケティング部 ユーザーグロースグループ グローバルクリエイティブチーム リーダー。サービス領域において、日本および海外のチームが連携するプロジェクトの管理を、複数の企業で経験後、2019年に株式会社ミクシィ(現:MIXI)へ入社。「家族アルバム みてね(英語版名称:FamilyAlbum)」のローカライズやデジタルマーケティング運用を経て、現在はグローバルクリエイティブチームのリーダーとして、FamilyAlbumの海外向け広告クリエイティブの制作に従事。
DD:日本だけではなく、海外展開も進めているのですね。175カ国・地域まで展開しているのであれば、制作・マーケティング面での課題なども多岐にわたるのではないでしょうか?
メーガン:どの国でも家族と写真を共有するニーズが共通であるのですが、マーケティング面でいえば、国や地域により、「プライバシー、無料無制限、家族の定義」など、ユーザーに刺さる機能やメッセージは異なってきます。そうしたクリエイティブ制作に必要な市場調査・仮説・実証に、時間・手間がかかりすぎるという課題が大きいですね。
TikTokに限っていえば、UGC動画の効果が非常に高いことを知りながらも、長期的に制作し続けていくための質/量の担保に課題がありました。そうした経緯があり、今回TTCCを活用することにしたんです。
DD:多様な動画プラットフォームで溢れかえるなか、TikTokに着目した理由はなんでしょうか。
メーガン:若年層の利用者はもちろん、30歳以上のユーザーが増加してきたという情報を知ったからからです。特に欧米などの英語圏ユーザーでは、私たちがリーチしたい新米ママ・パパのユーザーも多く利用しており、TikTokは非常に有効なプラットフォームだと考えています。
髙橋賢次郎(以下、髙橋):メーガンさんのおっしゃるとおり、世界的にユーザーの年齢層は幅を持つようになってきました。現在、TikTokとTikTok Liteを合わせて、日本国内で毎月3300万人以上の方々にご利用いただいており、TikTok広告はより幅広いユーザー層にリーチできる広告プラットフォームへと成長しています。
また、1日のアプリ利用時間を見ても、ユーザーは毎日映画約1本分の時間を過ごしているなどエンゲージメント率も高いというデータ*も。さらには、TikTokではコンテンツから広告に推移しても好意度は約6割を維持しており、興味度は上昇しているなど、広告であってもコンテンツ同様に、好意的に見られている**ことが分かりました。そうした意味でも、MIXI様がリーチしたい新米ママ・パパへ向けた施策は、TikTokと相性がよく効果的であると考えます。
*出典:data.aiデータ(ios&Android)2023年12月時点
**第三者機関に委託して実施したTikTok視聴時の脳波計測調査『コンテンツ全盛時代の「ヒト起点の動画広告」』
髙橋賢次郎/TikTok for Business Japan Global Business Solutions, Strategic Accounts, Client Solutions Manager, Entertainment アドテクの広告代理店で営業リーダーを経た後、2022年よりTikTok for Businessにジョイン。現在はClient Solutions Managerとして、エンターテインメント領域のクライアントを担当し、TikTok広告の活用支援に従事。
期間内であれば出稿料だけで、毎週最大40本のクリエイティブ制作が無料で可能
DD:では、今回「家族アルバム みてね」が利用したTTCCについて教えてください。どのようなサービスなのでしょうか。
髙橋:TTCCは、広告クリエイティブを効率的に制作できるソリューションです。エージェンシーや広告主はクリエイターにTTCCのプラットフォーム上で直接依頼・コミュニケーションを取ることができ、TikTokの動画広告を迅速かつ大量に制作できます。登録しているクリエイターは、18歳以上で1万人以上のフォロワーを持っている方に限定していることで、量だけではなく質の面でも担保できています。
DD:どのような流れで制作を依頼するのでしょうか?
髙橋:まず広告主がプラットフォーム上に、広告を出したい商品・サービスをブリーフィングという形で紹介します。クリエイターは、ブリーフィング内容を読み、気に入ったクリエイティブチャレンジに応募。広告主は応募された中から気に入ったクリエイターを選び、広告配信に活用。広告主は広告出稿料を支払うだけで、週40本以内であれば何本でも広告クリエイティブを無料で配信***できます。
***TTCCで制作したクリエイティブで一定の配信金額を満たす必要あり。また、テストの段階のため配信本文は週20本以内を推奨。
TTCCのブリーフィングから広告配信までのフロー。
TTCCのブリーフ内容を入力する画面。
DD:実際にTTCCを活用した印象はいかがですか?
メーガン:インハウスで広告クリエイティブを作成していた当時は、クリエイターを見つけるだけでも大変で、運よく見つかったとしても実際のクオリティは「作ってもらわないとよく分からない」という課題がありました。その点、TTCCで手軽に依頼できるクリエイターは、1万人以上のフォロワーをすでに持っており、TikTokでの実績が豊富。安心して依頼できます。
また、実際に会話などのやり取りをしてクリエイティブを固めていくのではなく、基本的にはクリエイティブはクリエイターにお任せてしています。ブリーフィングを記載した後は、クリエイターが制作した動画のチェックから広告配信まで一貫してTTCCのプラットフォーム上で完結するので、使い勝手は非常に良かったですね。実質的に動画制作費が無料でコストメリットは高く、ブランドイメージに合わないような表現が仮にあったとしても、TTCC上ですぐに修正依頼が出せるので、想像よりも工数の負担は感じなかったです。
ブリーフィングはいつでも更新できるので、修正依頼が多い箇所の説明などは期間の途中でも追加できます。そうしたフレキシビリティも評価できます。
DD:近年は動画配信プラットフォームなどでたびたび炎上問題が浮上しています。手軽なやり取りで制作が進行していくからこそ、そうした問題へのフォローはあるのでしょうか?
髙橋:まず、TikTokの広告配信においては、配信開始したタイミングでクリエイティブの審査が入ります。TikTokの審査基準に則ってないものはリジェクトされて配信されません。そうした点でも、TikTok広告では安全面は担保されています。
CVRが234%、CTRも175%向上し、CPAは60%削減に成功
DD:なるほど。明確なセーフティネットがあるのですね。では、TTCCを利用したキャンペーンの具体的な成果について教えてください。
メーガン:2023年8月~2024年4月にTTCCを活用して、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなどの英語圏ユーザーに対し、500本の動画をTikTokで配信しました。定量的には、初動1カ月間でTTCCを活用した広告とそのほかの広告の実績を比較したところ、CVRが234%、CTRが175%向上し、アプリ内イベントのCPAを60%まで削減できたので、十分な効果を実感しています。
TTCCを活用して配信したクリエイティブ例
DD:今回は海外向けの施策でTTCCを活用されましたが、国内向けでも効果を発揮しそうですか?
メーガン:海外の効果を見て国内も進めているところです。海外ほどの本数は無いですが、効果が出ている動画もあります。
たとえば、インハウスで広告クリエイティブを制作することに対してリソース不足を抱える企業には、ぴったりのソリューションではないでしょうか。また、クリエイティブ制作費がかからないので、コストメリットも十分に享受できるはずです。
さらに、普段からTikTokで発信しているクリエイターだからこそ、私たちの想像を超えるクリエイティブが納品されることもありました。自然であり、良い意味で広告らしさがないようなオリジナリティ溢れる動画を多く作り出せるのもTTCCの特長ですね。
髙橋:TTCCを活用していただいている広告主やエージェンシーの方が喜んでいただける点に、クリエイターへのキャスティング費が全くかからないことも挙げられます。通常の動画制作では、クリエイターやモデルを1人アサインする際に多くのキャスティング費がかかることが往々にしてありますが、TTCCではそれが無料で制作費もかかりません。
また、納品されたクリエイティブのパフォーマンス(視聴回数など)に応じて、作成したクリエイターにも収益が支払われる仕組みになっています。広告主・クリエイター双方でWin-Winになるようなプラットフォームを目指して構築しています。
アイデアやクリエイティブを試す場としても活用できる
DD:MIXIでは今後TTCCをどのように活用していきたいですか。展望を教えてください。
メーガン:海外展開には引き続き注力していくので、英語圏ユーザー向けのアプローチに、TTCCを活用したTikTok広告は増やしていきたいと考えています。対応できる言語が増えれば、英語圏以外の国・エリアでのマーケティング施策でTTCCを活用していきたいですね。
使い方に限っていえば、実験的なアプローチを試しながら、クリエイティブの試行錯誤をしていきたいです。具体的には、あるクリエイターが作成したクリエイティブがヒットした場合、同じコンセプトで別のクリエイターに依頼する、などでしょうか。
TTCCは制作コストがかからず手軽に使えるからこそ、さまざまなアイデアやクリエイティブを試す場としても活用できると感じています。
DD:最後に、今後広告クリエイティブを増やしていきたいと考えている広告主や、さらなる事業成長を目指すエージェンシーなどの読者に一言お願いできますか。
メーガン:動画広告を考える際に、クリエイティブの制作費がネックになっている企業は多くいるでしょう。その点、TTCCは出稿料を払うだけで、いつでも新規クリエイティブを手に入れられるので非常におすすめです。制作費がかからないため、費用的なリスクを背負うことなく、新しいアイデアをすぐに試せる場であることも大きなメリットになると考えます。
髙橋:メディア戦略において、TikTokを広告の場として活用していただいている企業は増加しています。そこで重要なのは、TikTokが提供しているソリューションを最大限に活用すること。TTCCは、クリエイティブ制作の柔軟性はもちろん、マーケティング・クリエイティブの両担当者では思いもつかない意見や発想が湧き上がることもあるので、TikTokに適した広告戦略を立てる上では肝になる可能性があります。
一方でエージェンシーの視点でみると、TTCCを活用することで広告主へ提供する価値を深化させることができます。クリエイティブ制作はTTCCに任せ、クリエイティブ以外の業務に対してリソースを多く割けるため、配信を伸ばしたり、シェアを取りに行ったりすることに注力できるのではないでしょうか。是非、TikTokでの出稿をお考えの方には、TTCCなどのTikTok for Businessが提供しているソリューションをフル活用しながらさまざまな広告クリエイティブを作って、是非投資対効果を実感していただきたいです。
Written by DIGIDAY Brand STUDIO(太田祐一)
Photo by 渡部幸和
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