【スカパー!事例】検索にも効果を発揮:サーチリフトで可視化された TikTok 広告のビジネスインパクト | 【公式】TikTok for Business: TikTok広告

【スカパー!事例】検索にも効果を発揮:サーチリフトで可視化された TikTok 広告のビジネスインパクト

2023-09-25

時代とともに、購買行動も変化している。しかし、ブランドにとっては、ユーザーが自発的に行う「検索」というアクションが、未だに重要な指標であり、消費者の興味関心や購買意欲を測る要素として役割を果たしている。では、広告は実際にサーチリフト(広告配信によって特定のキーワードの自然検索数が上昇すること)にどれだけ効果を発揮しているのだろうか。

エンターテインメント性の高いコンテンツに魅了され、情報を吸収した後に自発的に行動する傾向が高いユーザーが多く存在するTikTok。そんなTikTokの特性を活かし、今年3月から実施された有料の多チャンネル放送サービス「スカパー!」の広告キャンペーンにおいて、TikTokがサーチリフトにつながることが、検証により初めて明らかになった。

今回は広告主のスカパーJSAT小野里健也氏、広告代理店のGMO NIKKO 加藤暁雄氏、そしてTikTok for Business Japan営業担当の大塚愛佳氏、コンサルティング担当の中山駿氏に広告施策についての話を聞いた。

 

※この記事はDIGIDAYにて2023年9月4日に広告掲載したものです。

【スカパー!事例】検索にも効果を発揮:サーチリフトで可視化された TikTok 広告のビジネスインパクト

――スカパー!広告キャンペーンの概要とTikTokに出稿した背景について教えてください。

小野里健也(以下、小野里)スカパー!では、認知度や検索ボリュームの低下、そしてSNS上などで会話量が減少しているという課題を抱えていました。それらの課題を改善するため、11ジャンル50チャンネル見放題という「基本プラン」の広告キャンペーンを、昨年は、ディスプレイ広告やSNS広告など、4つの広告プラットフォームで実施しました。そして、今年3月から第2弾のキャンペーンを実施することになったのですが、今回は「検索数を上げたい」というKPIもありました。

小野里 健也/スカパーJSAT メディア事業部門 メディア事業本部 プラットフォーム編成部。入社から、デジタルマーケティング、配信事業の立ち上げを経て、現在は全体最適、効率化を意識したマーケティング活動に従事。

 

加藤暁雄(以下、加藤)スカパー!さんのご要望に合わせて、サーチリフトを上げるための施策として、TikTok広告の活用を提案しました。昨年のキャンペーンの結果を分析すると、動画のほうが静止画よりも検索リフトに効果的だということがわかりましたし、TikTokのユーザーは行動的なので、検索や購買につながりやすいのではないかと考えていました。

小野里スカパー!の基本プランの主な契約者は、40代から60代のいわゆるハイテレ層です。TikTokのユーザーは若年層が多く、ターゲットが異なると思っていたのですが、認知度や検索数を向上させるとともに、TikTokのユーザー層は広がっています。新たなターゲットへもアプローチする必要があると感じたので、チャレンジしてみることにしました。

加藤今回は、運用型広告の「ブランドオークション」を活用したのですが、そのビジネスインパクトは想像以上でした。とくに顕著だったのが、「検索ボリュームとTikTok広告imp数との相関係数」「LPの滞在時間」「離脱率」の3つの指標です。検索ボリュームとTikTok広告のインプレッション数の相関係数では、ほかの広告プラットフォームが0.2〜0.5だったのに対し、TikTokは0.7。なかでも6秒視聴回数では0.8とかなり高い相関がありました。そしてLPの滞在時間はほかのプラットフォームが30秒弱であるところ、TikTokは1分30秒と3倍も長かったのです。

このように、TikTok広告を視聴したあとに、TikTok広告がユーザーの検索ボリュームと強く関連し、スカパー!に対する興味や関心を高めたということを示しています。

加藤 暁雄/GMO NIKKO ブランド戦略部 マネージャー プランナー。2017年同社に新卒入社。入社時から営業として様々なソリューションをクライアントに提供。2020年よりプランナー兼コピーライターとしてクリエイター業務にも従事。個人では2万3000人フォロワーをもつTikTokクリエイターとしても活動。

 

小野里離脱率についても、広告経由だと通常80〜90%ですが、TikTokは70%くらい。オーガニック検索からの流入と大差ないほど、良質なユーザーを流入促進することができました。今回はじめてTikTokに挑戦しましたが、新たな顧客となりうる若年層のエンゲージメント率が高く、CPE(1エンゲージメントにかかるコスト)を低く抑えられたことにも満足しています。

 

――サーチリフトをはじめ、各指標で良い結果が得られたのは、なぜでしょう。

小野里おそらくエンターテインメント性の高い広告クリエイティブと、TikTokの相性が良かったからだと思います。今回使用した素材は、個性的なキャラクターが会話を展開する、おもしろ要素のある内容でした。クリエイティブとプラットフォームの親和性が高く、TikTokのユーザーに興味をもって見てもらえたことが、結果的に数値に現れたのだと考えています。

今回のスカパー!のキャンペーンで制作したTikTok広告

 

加藤TikTokにはアニメーションを活用したクリエイターさんの作品がたくさん投稿されています。多くの人に見てもらうために、人気のイラストレーターさんをアサインして、アニメーションのクリエイティブを制作しました。

クリエイティブはTikTokらしさや閲覧者を意識して、広告ではなく「面白い」と感じてもらえるようなコンテンツとして提供したいと考えた結果が、想定していたよりも長く効果の維持ができました。

 

――今回の結果を、TikTok for Businessとしてはどのように評価していますか?

大塚愛佳(以下、大塚)今回のスカパー!さんの広告クリエイティブは、「おすすめ」フィードでコンテンツとコンテンツの間に出てきても、ユーザーに違和感なく受け入れられ、訴求ポイントもしっかり伝わったのだと思います。

また、GMO NIKKOさんが相関係数を用いて検証してくださったことで、広告にもサーチリフト効果があると可視化されました。おかげで新たなTikTok広告の魅力を発見できましたし、とても感謝しています。

中山駿(以下、中山)パフォーマンスのレビューにおいて様々な指標があるなかで、「検索との相関性」に着目し、ポジティブな評価をしていただけたことは非常にユニークだと思います。このような、いわゆるサーチリフトの考え方が浸透していくことにより、TikTok広告の影響力をより実感していただけることでしょう。今回のスカパー!さんの事例は、TikTokというプラットフォームの可能性が広がる貴重な機会になりました。本当にありがとうございます。

(左)大塚 愛佳/TikTok for Business Japan、Global Business Solutions, Partner Acceleration Sales, Agency Partner。国内プラットフォームでリスティング広告やサーチリフト調査を踏まえたディスプレイ広告の営業を経験し、2021年よりTikTok for Businessにて広告代理店の営業を担当、Brandformance expertとしてフルファネルの提案に従事。

(右)中山 駿/TikTok for Business Japan、Global Business Solutions, Client Solution, Client Solutions Manager。広告代理店のインターネット広告事業本部にて、チーフコンサルタントとしてSNS領域のデジタルマーケティング支援を担当したのち、2021年、TikTok for Business JapanにClient Solutions Managerとして入社。TikTok for Businessの広告運用のコンサルティングや、App Product ExcellenceとしてApp広告の運用クオリティ向上を担う。

 

――なぜTikTokが検索につながるのか、広告代理店としての意見をお聞かせください。

加藤メディアやプラットフォームによって、視聴時のモチベーションに違いがあると感じています。TikTokでは「まだ知らない好き」に探求心が高いユーザーが多く、面白そうなコンテンツに対してさらなる興味を抱き、もっと知りたいと積極的に検索する。そのため、TikTokを視聴するモチベーションの高さが、次のアクションにつながりやすいのではないでしょうか。

それに、ほかのプラットフォームに比べてコメントが活発に利用されている点もTikTokの魅力です。動画内に商品が登場すれば、使用後のレビューや販売情報など、コメント欄を見るだけで一定程度の情報が得られます。すると、より理解が深まって「詳しく調べてみよう」と心が動くのではないかと考えています。

 

――今回の施策を通して、改めて感じたTikTokの優位性は?

小野里TikTokは、クリエイティブ次第で、どんな商材でもユーザーに届くということ。TikTokに出稿したことで、これまでアプローチできていなかった層にもスカパー!の認知を広げることができました。今回は最初に用意した動画がうまくマッチしたので、結果的に1度しか内容を変えませんでしたが、今後は、常に新しいクリエイティブでインパクトを与え続けられるよう準備しておくことも重要だと感じています。

加藤TikTokはユーザー層も多様でさまざまなコンテンツが溢れているので、「うちはターゲットの年齢層が高いので……」と躊躇されるお客様もいらっしゃるかもしれませんが、そういったお客様こそ、TikTokを活用してみていただきたいと考えています。そのときに重要なポイントのひとつは、TikTokらしいクリエイティブにすることです。新たなユーザーの心をつかむきっかけが生まれると思います。

 

――検索に強いことがわかったいま、おすすめしたい業界や業種はありますか?

大塚業界・業種にかかわらず、商品名や訴求したいキーワードがあり、検索を重視されているすべてのお客様にTikTok広告を使っていただきたいですね。それに、もっと知りたい、理解したいと感じたときに人は検索すると思うので、理解促進を目的とされているお客様にも向いていると思います。今回、スカパー!さんは顕在層だけでなく、潜在層にもアプローチされました。TikTokは、新規顧客を発掘するという意味においても効果的だと思うので、まだトライされていないお客様にも、ぜひご検討いただきたいです。

中山メディアプランを作成する際、それぞれの広告媒体を単独で考えてしまうことがあると思いますが、実は媒体やプラットフォーム同士が相乗効果を生み出すこともあるという点を忘れてはいけません。今回、TikTokと検索の相関性が証明されたことを通じて、これまでにない業界・業種のお客様にもTikTok広告をご検討いただければと思っております。

大塚認知から獲得まで一貫して起こるのが、TikTokの魅力のひとつでもあるので、TikTok for Businessでもブランド広告とパフォーマンス広告、どちらにも効果がある「Brandformance(ブランドフォーマンス)」という両軸のプロジェクトを今まさに進行中です。検索という行為は認知から獲得までの中間指標なので、これからもサーチリフトに注目しつつ、最大のビジネスインパクトである獲得までお力になれるよう、認知から獲得までに起こるファネルごとの検証も進めていきます。

 

Written by DIGIDAY Brand STUDIO(山本千尋)

Photo by 渡部幸和

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