「TikTokをやらない理由がない」サイバーエージェントが見る TikTok 広告のポテンシャル | 【公式】TikTok for Business: TikTok広告

「TikTokをやらない理由がない」サイバーエージェントが見る TikTok 広告のポテンシャル

2023-12-06

当初驚きをもって迎えられた「縦型ショート動画」はいま、多くの人が当たり前のように目にするものとなった。

このフォーマットを普及させ、市場をけん引してきたといえるのがTikTokだ。急成長するこのプラットフォームに注目し、可能性を見出したサイバーエージェントは、2021年11月に「TikTok局」を設立。クリエイティブや運用方法など、既存のプラットフォームとはあらゆる面で異なるTikTokに向き合い、知見を深めていった。

その結果、TikTok広告出稿実績は2022年、前年比300%の成長率を記録、2年目の2023年も現段階で200%を超える見込みだという。これまで数多くのデジタル広告を手がけてきたサイバーエージェント インターネット広告事業本部 統括・淵之上弘氏をして、「やらない理由がない」と言わしめるTikTok広告は、どのようなポテンシャルを秘めているのか。

淵之上氏、TikTok局を現場で指揮する局長の帆秋大地氏、そしてTikTok for Business Japan副社長の手塚孝氏、同社のHead of Digital Agency, Sales Directorを務める稲垣勇登氏に、動画広告市場の最新状況やTikTok広告の魅力、両社の新たな取り組みについて話を聞いた。

 

※このインタビューはDIGIDAYにて2023年11月30日に広告掲載したものです。

「TikTokをやらない理由がない」サイバーエージェントが見る TikTok 広告のポテンシャル

ユーザーが求めているのは、動画ではなく「コンテンツ」

DIGIDAY(以下、DD):現在の動画広告市場をどのように捉えていますか?

淵之上弘(以下、淵之上):デジタルコンテンツはテキストのみの時代、テキストに画像をプラスする時代を経て、動画全盛時代を迎えています。さまざまなコンテンツが動画化する流れは4〜5年前にはじまり、5Gサービスが開始された2020年3月以降、一気に進みました。大容量の動画をスマートフォンで簡単かつスムーズに見られるようになったことで、ユーザーが投稿する動画コンテンツの割合が増え、現在SNSやデジタルプラットフォームのタイムラインには多くの動画コンテンツが表示されています。

インターネット市場全体が拡大するなかで動画化が進み、目にするコンテンツの大半が動画になった。広告コンテンツを検討するとき、静止画か動画かどうかは、フォーマットの違いでしかないので区別して考えませんが、ユーザーが興味を持ってくれる効果の高い広告を追求していくと結果的に動画になる、ということです。

淵之上 /サイバーエージェント インターネット広告事業本部 統括。2008年、サイバーエージェントに入社。インターネット広告事業本部の営業として日本最大手クライアントを担当。2014年に同部の統括に就任し、リスティング広告、ディスプレイ広告の運用、インフィード広告、メディアの責任者を務めている。

 

DD:プラットフォーム側からは、どのような変化を感じているでしょうか。

手塚孝(以下、手塚):淵之上さんがおっしゃるように、我々も動画はあくまでフォーマットでしかなく、ユーザーが求めているのは動画ではなくコンテンツだと考えています。そのことを前提としてお話ししますが、見たいものやほしいものが明確であれば自分で探しにいけますが、顕在化してないニーズに人は行動を起こせません。ユーザーが主体性をもって自分で探しにいく時代から、プラットフォームが情報やコンテンツを提供する時代へと変わったことが、ここ最近の大きな流れではないでしょうか。

潜在的なニーズに対してレコメンドするのは、まさにTikTokが得意とするところ。TikTokではコンテンツに接触後、9割以上の人がなんらかのアクションを起こしていますし、4人に1人が購買や関連する情報収集をすることが調査結果で明らかになっています*。このことからもユーザーの購買行動が変化してきたことがわかりますが、それに伴い広告案件も増えてきました。サイバーエージェントさんとは2年前に「TikTok局」を開設されて以降、より一層パートナーシップを深め、情報交換やサポートなどの連携をとらせていただいています。

*出典:カンター「TikTok Marketing Science Global Time Well Spent」、2021年3月

 

手塚 /TikTok for Business, Global Business Solutions, Japan副社長。広告代理店に勤務後、外資系金融機関で日本市場の個人金融事業立上げを担当。Google合同会社で法人顧客ならびに広告代理店向け営業チームの統括を経て、2020年TikTok for Businessに参画。シニアディレクターとして広告代理店向け営業統括に従事。2021年より日本市場での広告主・代理店向けサービスを提供するチームを主管するリーダーとして活躍後、現職に就任。

2023年の後半からクライアントの意識が変わってきた

DD:「TikTok局」を設立された経緯や背景についてお聞かせください。

帆秋大地(以下、帆秋):当時、数あるプラットフォームのなかで、いちばん大きな伸びを見せていたのがTikTokでした。サイバーエージェントでは、グローバルプラットフォームが日本でローンチされると、まず専門のグループを作ります。グループを発足した頃はハッシュタグチャレンジのような純広告がメインで、実施するクライアントも限られていましたが、弊社が得意とする運用によって、TikTokの広告効果を最適化できると確認できたので、2021年11月に改めて専門グループから局化に体制を整え、「TikTok局」を正式に立ち上げることになりました。

体制が整ったことで、新規案件と既存案件のどちらにも力を注げるようになり、初年度の成長率は300%、2年目の今年は現段階で200%を超える見込みです。とくに今年の後半くらいから、クライアントの意識、TikTokを見る目や評価が変わってきたと感じているので、まだまだ伸びるのではないかと期待しています。

帆秋 大地/サイバーエージェント インターネット広告事業本部 メディア戦略局 局長。TikTok専門グループの段階からマネージャーとして参画し、2022年に局長に就任。

 

DD:クライアントの意識が変わったというのは、具体的にどういった点で感じたのでしょうか。

淵之上:「(そのうち)やってみよう」から「やらなきゃまずい」という空気に変わった気がします。おそらく家族や会社の若手など、半径2〜3メートルにいる人たちにどんどん広がっていることを実感されたのだと思います。また、競合分析などで他社の出稿状況を見て、先行してはじめた企業が継続して出稿していることを知り、そのムードがより高まったのかもしれません。いずれにせよ、今年の半ばすぎから本腰を入れてTikTokでの出稿を検討しはじめる企業が増えました。

帆秋:以前は若年層をターゲットとした通販系の企業様が多かったのですが、最近はユーザーの年齢層も広がっているので、業界・業種に関係なくTikTok広告は注目されています。なかでも伸びているのが保険などの金融サービスです。当初、無形の商材は難しいのではないかと思っていましたが、いま、どの業種でも効果があることを実感しています。

稲垣勇登(以下、稲垣):金融サービスのように一見わかりにくい商材であるがゆえにUGC(ユーザー生成コンテンツ)の方がユーザーに届きやすいのかもしれません。企業から一方的に発信されるメッセージではなく、親近感のある同世代のクリエイターを起用した広告クリエイティブで、サービス・商品の概要や特長を紹介する方が、自分ごと化されやすくなる。また、より没入感が高く、コンテンツ性があり、かつCTRやCVRを高められるクリエイティブを活用して広告配信を実施することが、キャンペーンの成果や直接的なビジネスへの寄与に対して、重要だと考えています。

稲垣 勇登/TikTok for Business, Global Business Solutions, Japan, Sales Director, Head of Digital Agency。株式会社メルカリに新卒入社、アメリカ市場向けのデジタルマーケティング全般を担当した後、PMとして日本事業におけるグロースマーケティングに従事。2019年TikTok for Businessにプロダクトマーケティングマネージャーとして参画、2021年よりパフォーマンス広告製品のプロダクトマーケティング統括責任者を経て現職。

 

DD:TikTok広告で効果を発揮するのは、UGCということでしょうか。

帆秋:そうですね。TikTokはレコメンドシステムやターゲティングが優れているので、マス向けのクリエイティブや、ほかのプラットフォームで使用されたクリエイティブを使っても、ある程度はリーチします。ですが、やはりUGCライクなクリエイティブにしたほうが、より高い効果が期待できます。

ご要望に応えるため、2022年8月には社内にTikTok専用のクリエイティブチームを設置しました。また、TikTok用の動画に初めて挑戦するので、どう作ればよいかわからない、というクライアントには、UGCライクなクリエイティブが作れる「TikTok Creative Exchange(TTCX)」というTikTok for Businessが提供しているソリューションも活用させていただいています。

DD:時間や予算の関係などから、同一クリエイティブが複数のプラットフォームで使用されることもありますが、それについてはどう思いますか?

淵之上:デジタルプラットフォームにはそれぞれ特性があり、ユーザーが利用する時のモードも違います。より高い効果を求めるなら、それぞれに合ったクリエイティブを使用することをおすすめしています。

また、これからは内容に加え、広告コンテンツの数も重要な要素になると思います。1 message 1 content時代と言われているいま、メッセージを自分ごと化させるため、100種類用意できれば100通りのユーザーにコンテンツを届けられる。たとえば、コンテンツの背景を東京タワーから地方の代表的な場所に変えるだけで、その地元の人に刺さりやすくなり、視聴態度も変わる。AのバリエーションとしてA´(ダッシュ)を作るのではなく、まったく異なるB、C、D、Eを作ったほうが、よりさまざまなタイプの人にリーチします。それには多くのクリエイティブが必要になりますが、AIの進化によって広告クリエイティブの量産も容易になりました。

そして、弊社には広告効果を予測して効果的なクリエイティブを提案する「極(きわみ)予測AI」がありますが、今後TikTokにも対応予定です。縦型動画の専門組織も作りましたし、TikTok広告に活かせる体制やソリューションが社内に整ってきました。

大量のコンテンツが、TikTokのレコメンドシステムをさらに進化させる

DD:改めて感じるTikTok広告の強みとは?

淵之上:TikTokがほかのプラットフォームと大きく異なるのは、ユーザーではなくコンテンツに対して最適化されるところです。つまり、用意したコンテンツに適したユーザーを抽出していくというよりも、あるユーザーに適したコンテンツを抽出していくという考え方です。あらゆるユーザーにあらゆるコンテンツを届けることが、TikTokのレコメンドシステムによって実現されています。

しかもユーザーは、動画を最後まで見るか途中でスワイプするか、自分の意思で能動的な態度でコンテンツを視聴している。15秒の動画を5分間あるとしたら20本も視聴され、この能動的な視聴態度によって、TikTokがユーザーのインサイトを分析できるわけですから、TikTokのレコメンドシステムは膨大なデータを非常に速いスピードで学習していくわけです。毎日見ているとどんどんカスタマイズされますし、コンテンツが増えれば増えるほど、レコメンドシステムの学習と進化は進みます。さらに、広告の出るタイミングは計算されています。多くのユーザーとコンテンツが存在し、マーケットが動いている事実を前に、TikTokをやらない理由はないと思うのです。

先ほどお話ししたように、一度のキャンペーンに使用する広告クリエイティブの数は、この先もっと増えていくはずです。週に20個、30個というクリエイティブを作るようになったとき、企業側にはスピーディな審査体制や仕組みが求められますが、それは一朝一夕には作れません。TikTok広告を早く開始すればその分知見が蓄積されるし、継続すればクリエイティブの勝ちパターンも見つけられます。いま始めなければ、TikTokプラットフォームでの活用ロジックを作ることは難しいかもしれません。

手塚:これまでと同じチャネルを活用するだけでは、ブランドとしての成長曲線が伸び悩んでしまうと思います。TikTokは新しいチャネルとして、広告主様のビジネス成長にインパクトをもたらしていることが明らかになってきており、ニールセンによる調査で、TikTokは広告費用対効果(ROAS)が他プラットフォームの1.6倍もあります**。ビジネスを成長させたい広告主様には、ぜひTikTokの活用を検討していただきたいです。

**出典:ニールセン「マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)調査_日本」、2022年7月

サードパーティのCookieが廃止されるなど、今後プライバシー規制が厳しくなり、ユーザーやデバイスという単位での最適化がますます難しくなっていきます。しかし、コンテンツを大量に学び、コンテンツに最適化していくTikTokは、時代に合った最適化の新しい潮流だと自負しています。

TikTokでは、そもそも広告クリエイティブもひとつのコンテンツとして捉えているので、企業のキャンペーンを実施する際にも、その優位性を発揮できます。もし、まだTikTok広告を試したことがなく、これまで以上の成長を実現したいと考えている企業には、ぜひお試しいただきたいです。

DD:両社は今後、どのような連携を図っていきたいですか?

帆秋:全プラットフォームのなかでTikTokの伸び率がいちばん高いことは、社内でも共通認識となっています。しかも進化のスピードが速いので、「TikTok局」を設立した2年前と今ではユーザー層も広がり、広告ソリューションも進化しています。どんどん新しい広告メニューが開発されていますし、「TikTok局」としてはさらなる成長を大いに期待しています。今後もより連携を強化し、世の中の流れをいち早く捉え、マーケットに大きなインパクトを残せるような取り組みを一緒に作っていきたいと思います。

稲垣:サイバーエージェントさんとはフルファネルのソリューションを活用して日本におけるデジタルマーケティングのあり方を進化させることができると考えています。マーケティングキャンペーンの効果や広告効率を最大化させていくために特に運用やクリエイティブに注力し、共同のプロジェクトを立ち上げながら同じ目線で取り組んでいきたいです。具体的には、パフォーマンス広告運用のキャンペーン設計の基本的な設定項目などを定義し啓蒙する新規プログラムにも試験的にテストを行う代理店様の一つとしてご協力いただいています。どういった配信設計や運用手法が効率的なのか、双方で議論しながら進めているところです。

日本の広告市場においてTikTokによるビジネスインパクトを最大化するためのパートナーとして、引き続き連携を強化していきます。

 

Written by DIGIDAY Brand STUDIO(山本千尋)
Photo by 渡部幸和

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