認知拡大×検索促進でTikTok売れ!漏れないタンブラー「BrüMate Era」のTikTok広告
近年、若年層を含む幅広い世代にアプローチする新たな手段として、企業から注目を集めているTikTok。その中で株式会社オークローンマーケティングは、2024年8月発売の逆さまにしても漏れないストロータンブラー「BrüMate Era(ブルーメイト エラ)」の認知拡大を目的にTikTok広告を実施した。施策の結果、認知だけでなく検索流入数の160%アップにもつながるなど、商品売上にも大きく貢献した。
今回は事例の詳細について、オークローンマーケティング、TikTok広告の活用を支援したサイバーエージェント、TikTok for Business Japanのキーパーソンに話を聞いた。
※このインタビューはMarkeZineにて2024年12月16日に広告掲載したものです。
アメリカで人気のタンブラー、日本の未認知層にどうアプローチする?
――最初に今回のプロモーション対象である「BrüMate Era」の特徴やターゲットについて教えてください。
郝:今回TikTok広告では「BrüMate Era(ブルーメイト エラ)」というストロータンブラーのプロモーションを行いました。BrüMateは全米で近年大人気の革新的ドリンクウェアブランドであり、その中でも大ヒットしたBrüMate Eraは国内初上陸の商品になります。
ストロー付きタンブラーで、逆さまにしても漏れない特許取得中の独自技術を搭載した構造が最大の特徴で、24時間超えても氷が残る保冷力の高さや大容量なのに持ちやすさにもこだわったデザインも特徴です。
株式会社オークローンマーケティング プロダクトマネジメント ディヴィジョン PMセクション シニアスタッフ 郝 苗子氏
――今回BrüMate EraのプロモーションにTikTok広告を活用した背景を教えてください。
郝:TikTok広告の活用背景は大きく2つあります。1つは、今回の商品がデジタル中心で販売する商品のためです。オークローンマーケティングは「ショップジャパン」を運営しており、テレビ通販番組を中心としたダイレクトマーケティングに強みを持っています。
一方、テレビ通販番組と馴染みの薄い若年層の方々に商品を買っていただくには、デジタルを中心としたマーケティングに取り組む必要があると考えていました。BrüMate Eraはショップジャパンの数ある商品の中でもデジタルを中心に販売を進めています。
もう1つの背景には、BrüMateブランドの本国で成功したプロモーション事例を参考にしたことがあります。BrüMateはアメリカ発祥のブランドで、デジタル戦略によって商品の売上を大きく伸ばしてきました。そのベストプラクティスを踏襲しつつ、日本市場に合った形にする上で、TikTokが欠かせないと考えました。
BrüMate Era
木村:タンブラーをデジタルで購入する商習慣は、アメリカで浸透している一方、日本では確立されておらず、前例がまだありませんでした。
そのため、他カテゴリーでネット購入の多い商品の共通点を調べたところ、SNS広告やデジタル広告とUGCの活用が上手くいっていることがわかりました。その中でも、BrüMate Eraの特徴が伝わりやすいのが動画だと思い、TikTokが一番話題作りにつなげられると考えTikTok広告をメディアプランに含めました。
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 第1 本部 営業局 アカウントプランナー 木村 有貴氏
クリエイター視点の動画をリーチ・視聴最適配信で届ける
――TikTok広告の活用内容について教えてください。
木村:今回のTikTok広告では、TTCX(TikTok Creative Exchange)のアドバンスパッケージを活用しました。TTCXはTikTokに最適なクリエイティブ制作をサポートしてくれるプラットフォームで、TTCXでマッチングしたクリエイティブ・パートナーとともに、動画制作を進めました。
今回のBrüMate Eraは20~30代の女性をターゲットにした商品ですが、施策実施前の段階でペルソナを固めきれなかったため、複数のクリエイターさんをアサインして動画を制作しました。異なるファン層を持つクリエイターさんの動画広告を配信し、効果の高いものに配信を寄せていきました。
郝:今回の動画ではクリエイターさんの視点を大事にしました。普段我々が制作するテレビ通販番組では、お客様に伝えたい訴求ポイントを全て盛り込んで、多方面から商品の良さを知ってもらえるように作り込みますが、TikTokではエンターテインメント性のあるユーザー視点の動画が重要だと聞いていたので、クリエイターさんの視点に寄り添うようにしました。
卯都木:広告配信に関しては、まずリーチ最適化を目的に配信を行いました。今回の施策においてTikTok広告に期待する役割が、認知の拡大と検索行動への寄与だったためです。
途中からは、もっと検索にも寄与させたいという狙いから、最適化ポイントを再検証しました。その結果、視聴最適で配信したほうがより高い効果が出ると判断し、配信方法をシフト。同時に配信する年齢層も広げて効果を最大化しました。
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 TikTok局 卯都木 紗姫氏
自社商品に合ったクリエイターを見つけ、最適な動画を作る方法とは?
――今回はクリエイターの方に動画を制作いただいたとのことですが、クリエイター選定並びに動画制作において気を付けた点を教えてください。
木村:実施前はペルソナが明確になっておらず、今回の施策を通してターゲットの兆しの見い出しもしたかったため、海外好きでトレンドを追っている方や自然に気を使っている方など、商品との相性が良さそうなクリエイターさんの候補を挙げ、配信結果を見ながら最終的にペルソナを探れるような選定をしました。
辺:TikTok広告を制作する上で気を付けなければいけないポイントがいくつかあると思っています。そこで、しっかりと目に留めていただけるようにクリエイターの動画構成に関しては、冒頭に何かフックになる要素を入れて制作していただきました。
株式会社オークローンマーケティング オーダーテイキングディヴィジョン デジタル推進担当 シニアマネージャー 辺 知子氏
金沢:TikTokのインフィード広告は、「おすすめ」フィードでユーザー投稿の間に配信されます。そのため、広告色が強いとスキップもされやすいため、通常のコンテンツと馴染むクリエイティブにするだけで、視聴率やいいね、コメントなどのエンゲージメントも変わってきます。オークローンマーケティング様のクリエイティブに関しても、そういった要素が押さえられていたと思います。
サーチリフト調査でTikTok売れの予兆をつかむ
――今回はTikTok for Businessが提供するサーチリフト調査も行ったと聞いています。その背景について教えてください。
辺:認知拡大が一番の目的ではありますが、デジタル上で売上に近いKPIも追っていく必要がありました。中でも検索は、商品の購入検討に近い行動だと思いますので、サーチリフト調査を活用し、商品理解にもどれだけ効果があったかを測ることにしました。
――サーチリフト調査はどのような形で実施されるのでしょうか。
金沢:サーチリフト調査では、TikTokユーザーをランダムに抽出し、広告接触者と非接触者の2つのグループに分類します。2つのグループでBrüMateに関する検索行動が起きていたかを計測し、その差分で広告による効果を測っています。
サーチリフト調査の概要
金沢:TikTokでは、「おすすめ」フィードを通じて興味のあるコンテンツはもちろん、新しいコンテンツに出会うことができます。新しいコンテンツに出会ったとき、そこで紹介されている商品や場所などについて検索する行動も増えているので、TikTok for Businessとしてはそのパフォーマンスを視覚化できるよう、サーチリフト調査を提供しています。
TikTok for Business Japan Global Business Solutions, Performance Agency, Agency Partner 金沢 佳恵氏
検索数が160%増、売上やメディア露出にも貢献
――今回の取り組みで得られた成果について教えてください。
金沢:サーチリフト調査の結果、検索エンジン経由のページビューが実施前と比較して160%増加していることがわかりました。サーチリフト調査の他社実績と比較しても良いパフォーマンスとなっています。
オークローンマーケティング様とサイバーエージェント様がTTCXを活用し複数のクリエイティブを用意したこと、またリーチ最適や視聴最適など、最適化の検証を行いながら運用をしたことが成果の要因だと考えています。
郝:また購入に関しても一定の成果が得られており、TikTok売れと言えるような取り組みになったと思っています。当初は20~30代の女性がメイン購入層になるのではと想定していましたが、40代以上の方にも多く購入いただいており、想定以上に広いターゲットの方にBrüMateを買っていただけること、また40代以上の方にもTikTokを通してコミュニケーションが取れることがわかりました。
辺:今回TikTok広告を展開したことで、出版社やテレビ局からもお問い合わせをいただき、メディア露出のきっかけになったりしました。さらに、クリエイターやインフルエンサーの方からも「BrüMateを紹介したい」といっていただけるようになるなど、認知が広がったことによる波及効果を感じることができました。
TikTok売れを通じて感じた特徴
――今回の取り組みを通して得られた気づきについて教えてください。
辺:今回、20代~30代をターゲットにTikTok広告を活用しましたが、実施前は商品と上手くマッチするか不安もありました。しかし、CTRも高く検索行動にもつながるなど、TikTokには広告を見て行動に移す購買意欲の高いユーザーが多数いるのだと、ポテンシャルを感じることができました。
郝:デジタル上のコミュニケーションでは、動画の尺や内容の濃さが結果に正比例するものではないとわかったのが大きな気づきでした。ダイレクトマーケティングにおけるテレビ通販番組では、作り込んだ構成や演出の動画で商品の魅力を余すことなく伝えてきました。しかし、今回はクリエイターさんの視点でその方が感じる必要な要素だけを入れて動画を制作したことで、デジタルのフィールドにおいては高い成果につながりました。今後の取り組みでも、この気づきを活かしたいです。
木村:今回の取り組みでは、ターゲットとしていた層よりも上の年齢層の方にも広告が効果的だったことが驚きでした。TikTok=若年層のイメージが強いですが、ユーザー層が広がってきているのだと感じています。
金沢:そうですね。現在、TikTokとTikTok Liteを合わせて、日本国内で毎月3,300万人以上の方々にご利用いただいており、より幅広いユーザー層にリーチできる広告プラットフォームへと成長しています。
卯都木:今回の取り組みでは、最適化の効果の大きさを実感できました、またUGCライクなクリエイティブの重要性も再認識できました。今回の動画で、一番効果が良かったクリエイターさんは顔出しもして、その方の強みを活かした内容になっていました。今後取り組む際も、どの要素があると効果が得られるのか検証していきたいです。
ホリデーシーズン商戦でもTikTok売れを狙う
――最後に今後の展望について教えてください。
郝:現在、サイバーエージェント様協力のもと、TikTok広告の活用を更に進めています。広告配信の時期がクリスマス商戦とも重なるので、ホリデーシーズンのギフト需要を意識したクリエイティブを制作中です。
今回、TikTok売れと呼べるような成果が得られたことで、TikTokはエンターテインメント性が高いだけでなく、購買を検討するプラットフォームとしても機能していることがわかりました。
認知拡大や検索行動の促進だけでなく、購買にもつながる更なる活用を模索、強化したいです。
木村:郝様の話にあったように、認知より先の中間検討層や購入を検討している層に向けた広告の活用にもチャンスがあると思うので、リーチ最適や視聴最適だけでなく、様々な最適化配信を駆使してパフォーマンスを最大化させたいです。
金沢:今回は検索行動の可視化を目的にサーチリフト調査を利用いただきましたが、TikTok for Businessは様々な計測ツールをご用意しています。TikTok広告はどのくらいインクリメンタルコンバージョンを生み出したかを計測する「コンバージョンリフトスタディ(CLS)」など獲得に特化した計測もできるので、複数あるクリエイティブやターゲティングの中から、より購買につながるパターンを見つけるサポートが今後できればと思います。
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