大和コネクト証券の口座開設数が1.9倍に 運用型広告を最適化するTikTokの「Smart+」とは
2024年にスタートした新NISAを追い風に投資への関心が広がる中、新規顧客の獲得にTikTokを活用し、成果を上げているのが大和コネクト証券だ。
大和証券グループの一員でスマホに特化した証券会社として、若年層や投資初心者をターゲットに事業を展開。TikTokの運用型広告を最適化するAIを活用したパフォーマンスソリューション「Smart+」の活用で、コンバージョン数が1.9倍に増加、CPAが14.5%削減と、目覚ましい成果を出している。
※このインタビューはAdverTimes.にて2025年3月3日に広告掲載したものです。

投資初心者に特化した戦略で差別化
大和コネクト証券は、株や投資信託など、幅広い投資商品をスマホアプリで簡単に取引できるサービスを提供している。手軽に投資を始め、続けられるのが特長で、投資初心者や若年層をメインターゲットに据えている。
「120年以上続く大和証券グループのノウハウを活かしながら、スマホ特化型の証券会社としてユニークなサービスを提供しています。顧客の高齢化・富裕層化が進む大手ネット証券とは異なる層をターゲットに、若年層や投資初心者の獲得を目指しています」と同社経営戦略部の堤帆乃香氏は語る。
大和コネクト証券 経営戦略部 課長代理 堤帆乃香 氏
認知拡大を目的に、若年層に人気のクリエイターらを起用したテレビCMやイベント協賛を実施する一方、新規顧客獲得のために力を入れているのがデジタル施策だ。ホームページや公式TikTok、SNSといったオウンドメディアの拡充、若年層向けSNS広告、アフィリエイト広告など、デジタル接点を重視した戦略を展開している。
「投資は難しい」というイメージを払拭するクリエイティブ
デジタル施策の中でも特に力を入れているのがTikTok広告だ。配信を開始した2021年5月当時は、TikTokで広告を出稿する金融機関はまだ少なかった。同社のデジタルマーケティング戦略を立ち上げ当初から支援してきた、ソフトバンクの鳥飼悠人氏は「投資初心者の獲得を狙う上で、TikTok活用の開始は最適なタイミングだった」と振り返る。
「当時、TikTokはブランディングや拡散目的での利用が中心でした。しかし、CMとは異なるトーンの動画でクリエイティブを工夫し、UGCのようにきちんと読み物として面白いコンテンツにすれば、若年層や投資初心者の獲得にも貢献できるプラットフォームだと確信しご提案しました。
金融商品のクリエイティブは、押しつけがましく訴求すればするほど『リスクがあるのでは?』と警戒されてしまいます。『投資はリスクを正しく理解して運用すれば決して怖くない』『始める際に、想像しているほどの面倒さはない』ということを、ユーザーと同じ目線で語りかけることを意識して制作しています」(鳥飼氏)
ソフトバンク デジタルマーケティング本部アカウントプロデュース統括部 鳥飼悠人 氏
TikTok広告では、「初心者でも簡単に投資を始められる」という点を強く訴求。「NISAが100円から投資できる」「たまったポイントが投資に使える」といったメッセージを、親しみやすい動画クリエイティブで伝えることで、投資に対する心理的ハードルを下げることを目指している。
TikTokクリエイター(はっしー 【バレエ】さん)のクリエイティブ動画例
また、アプリのUI/UXの使いやすさも訴求ポイントの一つだ。「大和コネクト証券のアプリはUI/UXが優れており、若年層に受け入れられやすい可愛らしいフォントの文字や数字も特徴です。『簡単で使いやすい』という点をアピールすることで、『投資は難しい』というイメージの払拭を狙っています」(鳥飼氏)
AIを活用したパフォーマンスソリューション「Smart+」でコンバージョン数1.9倍
獲得目的のTikTok広告の先行事例として知見を蓄積し、PDCAサイクルを回してきた大和コネクト証券。そして現在、新規顧客獲得を牽引しているのが、AIを活用したパフォーマンスソリューション「Smart+(スマートプラス)」だ。2024年8月のテストローンチ以降、飛躍的な成果向上を実現している。
「Smart+」とは、機械学習と予測 AIを活用してTikTok運用型広告を最適化するソリューションだ。キャンペーン作成、ターゲティング、最適化、クリエイティブ作成までを自動化し、広告運用にかかる時間とリソースを削減。「Smart+」は、TikTokで成功を収めた過去の広告キャンペーンを学習済みであり、高パフォーマンスを発揮するのが強みだ。
TikTok for Business Japanの長谷部詩葉氏は「『Smart+』では、最大30本のクリエイティブと5つのテキストをまとめて入稿するだけで、AIが最適な組み合わせを選択し、最適なオーディエンスに広告配信を行います。従来のようにアドグループ単位で細かく設定・管理する必要がないため、運用効率が大幅に向上します」と語る。
大和コネクト証券の広告運用領域を担う、Hakuhodo DY ONE パフォーマンスメディア本部の橋本悠依奈氏も「Smart+」を高く評価する。「自動的に最適なターゲティングを探しに行くロジックは、他のプラットフォームにはない興味深い仕様です。TikTokのアドネットワークへの配信も1つのキャンペーンで完結するため、工数が削減され、クリエイティブの改善や分析といった本質的な業務に時間を割けるようになりました」(橋本氏)
Hakuhodo DY ONE パフォーマンスメディア本部 ソーシャルメディア局 橋本悠依奈 氏
「Smart+」導入前後の比較で、口座開設申し込みのコンバージョン数が1.9倍に増加、外部計測CPAは14.5%削減という成果を達成。長谷部氏はこの成功の要因について「大和コネクト証券のUIの魅力を、TikTokの縦型動画で効果的に表現していただき、それが『Smart+』により最適なユーザーに届けられたこと」と分析する。
「大和コネクト証券は、TikTok for Businessの様々なソリューションを積極的に試してくださっており、かつクリエイティブの制作もスピーディー。金融業界のお客様はクリエイティブの審査に時間がかかることが多い中、広告会社や制作会社との協力のもとトレンドを捉えたクリエイティブを次々に制作されている点も、ここまで実績が伸びている秘訣ではないでしょうか」(長谷部氏)
「お金の知識」「新NISA」で検索するユーザーが増加中
大和コネクト証券にとって、TikTokは今や新規顧客獲得戦略の柱となっている。この1~2年でTikTokへの広告予算は2倍近くに増加し、「社内でも『TikTokは成果の出るプラットフォーム』という認識が広まっている」と堤氏は語る。
Hakuhodo DY ONE 第一アカウント本部の渡邊孝幸氏は「TikTokは進化を続けるプラットフォーム」と表現する。「かつては趣味やエンタメ系動画が主流でしたが、最近はお金の貯め方や名言の切り抜きといった教育や啓蒙コンテンツも増加しています。これは大和コネクト証券のターゲット層にも合致しており、今後の活用に期待が持てます」(渡邊氏)
Hakuhodo DY ONE 第一アカウント本部 第七アカウント金局 渡邊孝幸 氏
長谷部氏によると、海外ではFinTechとTikTokを掛け合わせた「FinTok」という言葉が登場するなど、お金に関する知識のニーズが高まっているという。国内でも、「お金の知識」「新NISA」といったキーワードをTikTokで検索するユーザーも増加。それに伴い、金融業界の企業との取引も拡大しているという。
TikTok for Business Japan Client Solutions Manager, Finance 長谷部詩葉 氏
「現在、日本においてTikTokとTikTok Liteを合わせて毎月3300万人以上に利用いただいており、TikTok for Businessはブランディング・認知から獲得まで一気通貫で実現できる広告プラットフォームとなっています。『Smart+』をはじめ、TikTok for Businessには様々な配信手法やクリエイティブの可能性があります。今後も、大和コネクト証券様のように新しい取り組みに挑戦する企業様を支援していきたいと考えています」(長谷部氏)