楽しくて作りたくなる「サッポロポテト」のアイデアレシピを公式アカウントで発信

2020-07-27

TikTokはコンテンツを通じてユーザーに新しい興味関心を提供し、高いエンゲージメントを獲得できるという特性があります。
そのため、TikTokで公式アカウントの運用を始める企業やブランドが増えています。

本記事では、TikTokの特性を生かした企業やブランドの公式アカウントでの取組事例をご紹介します。

楽しくて作りたくなる「サッポロポテト」のアイデアレシピを公式アカウントで発信

TikTok公式アカウント開設の背景

2020年4月、カルビー株式会社は「サッポロポテト」のTikTok公式アカウントの運用を開始しました。

「サッポロポテト」は誕生から約50年の歴史あるブランドで、認知率も9割というロングセラー商品ですが、消費者のマインドシェアをより一層高めることを目的に、2019年から他のSNSの運用を開始。ブランドと消費者との双方向でのコミュニケーションが取れるようになってきました。SNSを継続運用している中で、さらに新しいユーザーの獲得やコミュニケーション接点の拡大のため、昨今、若年層だけでなくユーザー層の幅が広がり、コンテンツが多様化しているTikTokでの公式アカウント運用が決定しました。

「サッポロポテト」には、グリーンのパッケージの「つぶつぶベジタブル」とオレンジのパッケージの「バーベQあじ」という2つのサブブランドがあります。「サッポロポテト」自体の認知度は高くても、2つのサブブランドに分かれているということはきちんと伝わっていないのが現状です。味も形状も異なる2つのサブブランドの存在こそが、ブランドのユニークな特性であるため、まずそのことを認知してもらいながら、スナック菓子らしい“楽しさ”を伝えることができるプラットフォームとして選ばれたのがTikTokでした。

これまで企業やブランドはTikTokに公式アカウントを開設しないまま、広告配信を行ったり、TikTokクリエイターを活用したりするケースが多く、企業やブランドが公式アカウントを使い、継続的にTikTokへコンテンツを発信し続けるというケースはあまり多くありませんでした。今回の事例のように企業やブランドがTikTokを通じて継続的にユーザーとコミュニケーションを取っていくことは、今後活発になっていくと考えられます。

その理由の一つとして挙げられるのが、最近の広告は「ユーザーに楽しんでもらう」ことを重視する傾向にあるということです。TikTokがユーザーに“楽しさ”を提供できるプラットフォームであることは、「コメント欄が活発である」「エンゲージメントが高い」「他のSNSにもシェアされる」というTikTokの強みにも表れています。

サッポロポテト公式アカウントを盛り上げるための工夫

「サッポロポテト」公式アカウントでは、「サッポロポテト」を使ったレシピ動画を配信。ユーザーとコミュニケーションが取りやすいというTikTokの特性を踏まえ、“食”という身近なテーマのもと、「見て楽しい」「真似して楽しい」コンテンツを制作。“楽しさ”や“親しみやすさ”のイメージ強化を狙うとともに、「食べてみたい」「試してみたい」という行動喚起につなげることも目標にしました。

通常のレシピは野菜などの材料を揃えて料理をしますが、このアカウントのレシピは「サッポロポテト」をメインの材料とし、揃える材料を極力少なくしています。
「サッポロポテトでこんな料理が作れるんだ!」という意外性を打ち出すことで興味を持たせ、実際に作ってみたくなるようなレシピにしています。揃える材料が少ないという点も作ることへのハードルを下げています。

「サッポロポテト」がオフィシャルでレシピを公開するのは今回が初めて。TikTokでの受容性、レシピ業界のトレンド、商品特性のバランスを見ながらレシピを考案していきました。

実際にコンテンツを投稿したところ、「試したい」「作りました」というコメントはもちろん、「見ているだけで楽しい」というコメントも多く、エンターテインメント性のあるコンテンツはユーザーの“楽しさ”につながることが分かりました。
また、22時ごろにコンテンツを見たユーザーから「こんな時間にサッポロポテトの動画が流れてきたからお腹が空いた」というコメントがありました。レシピ動画としてだけでなく、「サッポロポテト」そのものが食べたくなったという反応は、商品自体へのマインドシェアの高まりだと言えます。

この公式アカウントは、アカウント開設直後にいいね数が1万を超えました。企業アカウントの再生回数やエンゲージメントが最初から大幅に伸びるケースはまだ多くない中でここまでの結果を出せたのは、TikTokでも人気ジャンルである「レシピ」であること、さらに材料にお菓子を使っているという意外性がユーザーの興味につながったところにありました。

コンテンツの企画においては、2種類のサブブランドと「おかず系」「スイーツ系」などレシピジャンルを掛け合わせてカテゴリを細分化し、どのカテゴリのコンテンツが伸びるかを再生数、いいね数、コメント数、動画視聴完了率で数値分析しています。

特に動画視聴完了率は重視しており、完了率が高いカテゴリのコンテンツを投稿するようにしています。

また、コメント欄でのコミュニケーションも可能な限り対応しています。コメントを通じて企業とユーザーとのコミュニケーションができているというところもエンゲージメントの高さに影響しており、より多くのユーザーと双方向コミュニケーションを取るために投稿するタイミングも工夫。ユーザーが最もTikTokでアクティブな時間帯である18時から21時におすすめに載るために18時に投稿し、その1〜2時間後にピークが来るようにしています。

企業やブランドがTikTok公式アカウントを開設するメリット

TikTokはフォロワーやハッシュタグに依存しておらず、フォロワーがゼロでもコンテンツが良ければどんどん拡散されます。

すでに認知度の高い「サッポロポテト」のマインドシェアを高めるためにユーザーとのコミュニケーションを図る場合、「サッポロポテト」に興味がなかったユーザーに対して、TikTokではレシピや音楽という違う切り口をフックにコミュニケーションを図ることができます。

TikTok For Businessの調査によると、「今まで興味なかったジャンルを好きになった」という割合が、TikTokは他のSNS5社平均よりも+122%と高くなっています。このことは、企業やブランドがTikTok公式アカウントを運用し、新規ユーザーを獲得していくという点で大きなメリットだと言えます。

「サッポロポテト」公式アカウントはフォロワーがゼロの状態からスタートし、1週間で再生回数が100万回を超えました。このアカウントは広告を出稿しておらず、コンテンツだけでファンを獲得し、エンゲージメントを高めることに成功しました。

公式アカウント運用で得られた成果とは

「サッポロポテト」は、他のメディアでもレシピを紹介していますが、TikTokの拡散力が非常に強く、ユーザーが公式アカウントの動画を見て、自分が試した動画をさらにアップするというUGCが生成されるパターンが増えています。そういったことからテレビの情報番組にも取り上げられ、より広い層にリーチできた施策となりました。

子供の頃に食べていた人は多いと思いますが、スナック菓子の選択肢が増えている中で、指名買いされるブランドであり続けることのハードルは高くなっています。

TikTokでのレシピ動画によって、「美味しそう」「楽しそう」「試してみたい」という、「知っている」以外の要素が消費者のマインドに入っていける機会を創出できたのは大きな成果と言えます。

 

「サッポロポテト」公式アカウント コンテンツ制作担当
料理動画メディア『GOHAN』を運営する株式会社トピカ 石川怜氏、戸村亮太氏コメント:

マスメディアのコンテンツは作り込まれている印象が強く、ユーザーは遠くから見ているような感覚だったと思います。SNSの登場により企業や有名人との距離は近くなりましたが、TikTokの場合はコンテンツを作る側も受け取る側もより近く、まるで友達同士のように気軽にコミュニケーションできます。

世間的にはZ世代が多いというイメージを持たれているTikTokですが、ユーザー層の幅は広がっていて、今の時代に合っていると思います。

その理由として大きく3つあります。

一つ目は「情報発信の敷居を下げた」こと。

簡単な操作でクオリティーの高い動画を撮影することができるので、誰もがクリエイターになれる可能性が出てきました。また言葉が通じなくても、動画は面白さや楽しさを伝えることができます。

二つ目は「体験価値が高い」ということ。

他のプラットフォームは検索してから見るというアクションが基本ですが、TikTokはおすすめにコンテンツが表示されるため、コンテンツ接触が自然です。そのことは潜在層を顕在化させることに大いに役立っています。

三つ目は「企業のマーケティングツールとしての価値が高い」ということ。

TikTokは機能のアップデートが早く、今後ますます企業にとって有効な機能が拡充されると予想できます。SNSは先行利益型なので、今の時期から公式アカウントを開設して運用を始めることは、企業やブランドにとってかなり有利になると思います。

 

カルビー株式会社 河内麻由子氏コメント:

「サッポロポテト」というブランドの「安全」、「安心」、「ファミリー」というイメージを大切にしながら、その時代に寄り添うブランドになるため、時流にあったコミュニケーションを強化していきたいと考えています。

デジタル領域でどのようなコミュニケーションを強化できるかという課題がある中で、TikTokは大きな役割を占めてくるのではないかと捉えています。変化が早い時代において、TikTokは情報のアップデートが早く、時代に合ったコミュニケーションをする上で興味深いメディアだと感じています。

まだ4月に開始したばかりですし、TikTokは機械学習によって、どのようなコンテンツが今のユーザーにとって面白いかを判断されるため、今はまだ1回1回トライアンドエラーを繰り返している段階です。今後はノウハウを蓄積して、より一層ユーザーに楽しんでもらえるコンテンツ発信を目指しています。

 

カルビー「サッポロポテト」公式アカウントについて、マーケター向け専門メディア「MarkeZine」にインタビュー記事が掲載されました。こちらも併せてご覧ください。
(フォロワーゼロから爆発的再生回数を連発!カルビー「サッポロポテト」のTikTok活用術)

 

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