【Advertising Week Asia 2019】”飽和”時代の「TikTok」活用術とは?
世界最大級のマーケティング&コミュニケーションのプレミアムイベント「Advertising Week Asia 2019」(アドバタイジング・ウィーク・アジア)でTikTok For Business X Design Centerの鈴木瑛と電通の佐藤雄介さんとのトークセッションを実施しました。
TikTok For Businessが掲げる新・消費者行動モデルと「TikTok」を使ったマーケティング【スピーカー:鈴木】
「TikTok」のイマ
「若い」「ダンス」「ネタ」「尖っている」などということを想像する人もいるかもしれません。でも実は、TikTokのユーザーも、TikTokで流れているコンテンツも「多様化」しているのです。
150の国と地域で使われているTikTokは、日本で950万人(※)の月間アクティブユーザーがいます。
※2018年四半期時点
ちなみに、TikTokユーザーは最後までしっかりと視聴する人が圧倒的に多いという特徴があるんです。
TikTokが世の中に急速に広まった要因は、この4つ。
- ユーザーに最適なコンテンツを届けるTikTokの機械学習アルゴリズム
- より速く快適に動画閲覧ができる環境の広まり
- ダンス必修科目化で自己表現に抵抗がない世代の台頭
- マーケティングの主役が企業→インフルエンサーに変革
高い技術力と時代の流れに後押しされて、TikTokは育ってきたのです。
TikTok For Businessが提唱する新たな購買行動モデル
2004年、情報が爆発的に増えた時代に電通が提唱した「AISAS」(アイサス)という消費者の購買行動モデルがありますが、弊社では現代の購買モデルは「(AL)SAS」であると考えています。
情報が飽和した現代の消費者は、アルゴリズムによってキュレーションされた情報に触れ(ALgorithm)、共感し(Sympathize)、行動し(Action)、共有する(Share)。
さらに、人々の物欲が満たされ、情報だけでなくモノも飽和した今。消費者の共感を得るためには「NEEDS」や「WANTS」を刺激するのではなく、
■WISH:より良い世の中に変えたいという”願い”
■WHIMSICAL:気まぐれや思いつき、“意味はないけど楽しい瞬間”
という消費者行動の動機を巧みに捉え、感性的な共感を得られるコミュニケーションが必要なのです。
新購買モデルに適したプラットフォーム「TikTok」
我々は、そんな現代の消費者インサイトを捉えたプラットフォームの一つが、TikTokであると自負しています。
例えば、デジタルネイティブ世代からの好意醸成・エンゲージメント獲得を目標にしたNTTドコモ様のハッシュタグチャレンジ『#星プロダンスバトル』。
デジタルネイティブ世代に人気のアーティストグループが投稿したダンス動画と、自分で撮影したダンス動画をTikTokのデュエット機能(※)を使って組み合わせ、まるでダンスバトルをしているようなコンテンツが作成できる企画です。最終的には2,635件の動画投稿、97万回のエンゲージメント、4,600万回の視聴という広がりを見せました。
※他のユーザーが投稿した動画とコラボレーションした動画を作成できる機能。
TikTokの機械学習アルゴリズムを使って、狙ったユーザーに「WHIMSICAL=意味はないけど楽しい」コンテンツを届けて共感を獲得し、いいね!やシェアをしてもらう。
このハッシュタグチャレンジは、新・消費者行動モデルの「(AL)SAS」を的確に捉えた成功事例となりました。
CREATOR OF THE YEARがこだわる飽和時代のマーケティング戦略【スピーカー:佐藤氏】
「TikTok For Businesseの鈴木さんが言っていたように、今は『飽和の時代』です。情報もモノも増え続け、好みも多様化している。そんな時代のマーケティング手法として僕が取り組んでいることをいくつかご紹介します」と佐藤氏。
キーワードは「多面化」
佐藤氏「今僕はブランドを多面的にして世の中との接点を増やすことにこだわっています。
例えば先ほどのNTTドコモ様では、『みんなを、ドまんなかに』というコンセプトで僕がCMを中心にコミュニケーションをプランニングしているんですが、様々なキャラクターを集めた『キャラまち』という世界をCMの中に作ったんですね。この世界を、以下のように色々な切り口から多面化していくというのをやっています。
- 同じキャラクターが人、マペット、アニメという3つの形態を自由に行き来する→表現の多面化
- CMの世界をマスメディアや映画の中に登場させたり、CM上のクレープ屋さんが実際に街に出現させたりする→接点の多面化
こうすることにより、広告が広告として接触するのではなく、コンテンツの一部としてユーザーの日常に入り込んでいくようになるんですね。この流れを作ることにすごくこだわっています」
何度も話題になる仕組み作り
佐藤氏「情報の飽和に加え、現代は超消費型社会です。3日で、3時間で、8秒で、人々は情報を消費し、飽きてしまう。
こんな時代だからこそ、どうしたら簡単に消費されないコンテンツが生み出せるかも勝負になると感じています。
例えば、僕がプロデュースした日清食品様のCMシリーズ『HUNGRY DAYS アオハルかよ。』。
“魔女の宅急便やサザエさんなど著名なアニメのキャラクターが現代の高校生だったら”という切り口でそれぞれのストーリーを作ったのですが、『何度も見たくなる、突っ込みたくなる。』ということにこだわりました。
例えば、サザエさんが可愛すぎる!とか、よく見ると知ってるキャラクターがいっぱいが隠れてる!などの突っ込みどころを多数仕込んだのです。
さらに、カットの切り替えをスピーディーにして短時間に大量のコンテンツを詰め込むことで、じっくり知りたくなって何度も視聴してもらえる状況をつくりました。この結果、2017年に最もTwitterで話題になったCMになりました」
新時代のマーケティングにも既存の手法は使える【スピーカー:佐藤氏・鈴木】
鈴木:佐藤さんの話にもありましたが、今の消費者は移り気ですぐにコンテンツに飽きてしまう。どうしたらコンテンツにアテンションを与え続けられるのかが大事。だから、たった15秒のTVCMにたくさんのツッコミどころや間違い探しを仕込んで、しっかり見させる工夫が必要なんですね。まさに「WHIMSICAL」が共感の鍵であることを的確に捉えた事例だと感じました。
佐藤氏:僕はTikTokを「映像」という観点からも参考にしています。デジタルネイティブの人達は現代の消費者のインサイトを本能的に捉え、そこに響くコンテンツを創り出している。僕らプロがやっていることと、彼・彼女達がやっていることはあまり変わらないんですよね。TikTok内のコンテンツもどんどん洗練されてきている印象がある。TikTokで発信と連動した施策はこれからもやっていきたいと考えています。
鈴木:僕が改めて伝えたいのが、現代では「WHIMSICAL」なマーケティングが重要であるということはもちろん、今まで僕たちが培ってきたマーケティング手法は新しい媒体でも有益であること。特殊なプラットフォームが出現すると、そのプラットフォームへの理解や独自の手法が必要だと思い込んでしまいがちですが、実はそうではない。人を惹きつける技術はTVCMなどでずっと使われていた技法です。TikTokでも、いかに今までの広告技法を応用するのかが大事。そのことを今回の佐藤さんの話からも感じてもらえていれば嬉しいです。
Advertising Week Asia 2019のブースの様子はこちら!
今回のAdvertising Week Asia 2019では、セミナーだけでなくブースも出展。ブースではTikTokインフルエンサーのサラ・コールディさんがコンテンツ制作を実演し、「TikTok」の使い方や魅力を多くの人に伝えてくれました。
このブースの様子やサラさんのインタビューの内容はこちらの記事からご覧いただけます。是非、ご一読ください!
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