コンデナスト・ジャパンが『VOGUE JAPAN』など3つのTikTok公式アカウントを開設。ラグジュアリーブランドのTikTok活用方法とは

2021-04-02

TikTokはコンテンツを通じてユーザーに新しい興味関心を提供し、高いエンゲージメントを獲得できるという特性があります。
そのため、TikTokで公式アカウントの開設や運用型広告の配信を始める企業やブランドが急増しています。

本記事では、ファッション雑誌『VOGUE JAPAN』『GQ JAPAN』などを手がけるコンデナスト・ジャパンのTikTokでの取り組みから見えてきた、ラグジュアリーブランドにおけるTikTok活用方法ついてご紹介します。(コンデナスト・ジャパン Social Mediaチーム、マネージャー 坂上 まい様と、Planner, Commercial Product 宮 達也様にお話を伺いました)

コンデナスト・ジャパンが『VOGUE JAPAN』など3つのTikTok公式アカウントを開設。ラグジュアリーブランドのTikTok活用方法とは

TikTok公式アカウント開設の背景

コンデナスト・ジャパンは20206月、TikTokに『VOGUE JAPAN』『VOGUE GIRL』『GQ JAPAN』の公式アカウントを同時に開設しました。

その背景には、TikTok上でのオリジナルコンテンツのマネタイズやタイアップ商品のリリースなどを目指すとともに、コンデナスト・ジャパンが展開するメディアのZ世代への認知拡大、ブランド認知の獲得がありました。

昨年はソーシャルメディアの需要が高まり、特にTikTokのようなポジティブなテンションが求められていたため、当初の計画よりも前倒しして公式アカウントをローンチすることになりました。

各ブランドのソーシャルメディア担当が、ユーザーとブランドを繋ぐコンテクストをそれぞれ考えていますが、常に大事にしているのは、“ブランドが持つ世界観の中で何ができるかを模索すること”です。 “TikTokらしさ”だけを目指すのではなく、コンデナスト・ジャパンの各ブランドの世界観を保ちながら、いかにユーザーに親しまれるコンテンツになるかという点を重視してコンテンツを制作しています。

他のSNSとは異なるユーザーコミュニケーションが展開できるTikTok

コンデナスト・ジャパンでは複数のソーシャルメディアを活用していますが、TikTokでは、他のプラットフォームとは異なるユーザーコミュニケーションを展開しています。

GQ JAPAN』で毎年その年に圧倒的な活躍を見せた方々を称賛し表彰するイベント「GQ MEN OF THE YEAR」。

TikTokでは、オリジナルのブランドエフェクトを開発し、ハッシュタグチャレンジを実施。幅広いユーザー層からの投稿が数多く集まりました。また、TikTok LIVEを活用して授賞式を生配信しましたが、そこでもポジティブはコメントが多く寄せられました。

2020年の「GQ MEN OF THE YEAR」では、合計1125名が受賞されました。その様子は授賞式を始め、誌面や各プラットフォームでも各受賞者の紹介をしていますが、TikTokの場合、必ずしも著名人が登場するコンテンツだから効果が高い、というわけではありません。誰がというより、何をするかということが重要で、例えば公式PR動画のように作り込んだものよりは、少し荒削りでも、受賞者自身に撮影していただくなど「出演者の目線」からの動画の方がより効果的です。

このようなユーザーコミュニケーションは、今後のZ世代に対するマーケティングの参考になります。

Z世代向けマーケティングソリューションとしてTikTokを活用

公式アカウントを開設し、実際に活用してみたからこそ、TikTokZ世代に絶大な人気を誇るプラットフォームだと実感しました。そこで、コンデナスト・ジャパンはTikTokを活用した広告運用にもいち早く注目しました。

コンデナスト・ジャパンの取引先であるラグジュアリー業界では、当時はまだあまりSNS広告の活用が進んでいませんでしたが、ラグジュアリーブランドにとって新規顧客となり得るZ世代ユーザーの獲得に最適だと考えたからです。TikTokを通して広告主の皆様と一緒に新規ユーザーへ様々な角度でのアプローチができるのではと考えました。

本格的な広告運用を開始する前に、まずは『VOGUE JAPAN』の公式アカウントで、予算枠を設定してテスト的に広告を配信・運用しました。

複数のプラットフォームで同じ広告を回していたのですが、再生数、クリック数、エンゲージメント数のすべてにおいて、TikTokは非常に高い数値となり、なかでもクリック数は目標値の2.5倍以上という高い成果を残しました。

この結果を踏まえ、広告主の皆様にもTikTokを活用した広告配信パッケージの販売を20207月からテスト的に開始しました。

広告に利用するクリエイティブは、動画プラットフォーム用に作成した動画をそのまま切り取ったバージョンとTikTokに合わせて最適化したバージョンの2種類を用意しましたが、やはりTikTokに合わせて最適化したバージョンの方が非常に良い結果となりました。

TikTokアカウント運用から広告配信まで、トータルサポートへのニーズの高まり

コンデナスト・ジャパンがTikTok広告の販売を開始すると、次第に広告配信に留まらず、TikTokでのアカウント運用などの問い合わせも増加。そこには、TikTokでラグジュアリーブランドのアカウント開設が増加している中で、アカウント運用から広告配信までトータルでTikTokに取り組みたいというニーズの高まりがありました。

 

その一例としてラグジュアリービューティーブランドの取り組みをご紹介します。

VOGUE GIRL』のランディングページへの誘導を目的に、TikTokを含む複数のプラットフォームで広告を配信。TikTokが最も多くクリックされ、動画再生数、いいね、コメント数も多く、エンゲージメントが一番高いという結果となったため、広告予算をTikTokに寄せることになりました。

ラグジュアリービューティーブランドのクライアントからは、「広告出稿をしたことがないプラットフォームだったため、実施前は不安もありましたが、結果的にはこれまでリーチできなかった新しいユーザー層を獲得でき、さらにエンゲージメントも高かったので、TikTokを活用してよかった」と、非常に高い評価をいただきました。

TikTokに合わせて広告クリエイティブを最適化したことが成功要因の一つではありますが、コンデナスト・ジャパンとしては、TikTokVOGUEの世界観がマッチするのだろうかという懸念もありました。

そこで、広告出稿時にも、VOGUEの世界観やクオリティーを保ちながらTikTok上でコミュニケーションすることを目指しました。

このことが功を奏し、多くのTikTokユーザーにVOGUEの世界観を知ってもらうことができました。TikTokユーザーにとっても、これまであまり見たことのない動画に出会う機会が作れたため、エンゲージメントが高く、ポジティブな反応が多いという結果につながりました。

TikTokは音楽も重要なので、今後はどのような音楽がラグジュアリー業界に適切なのかを研究していけば、さらなる効果が得られると考えられます。

今後ますます増えることが予想されるラグジュアリー業界のTikTok活用

これまでTikTok広告というと、ゲーム、アプリ、漫画といったイメージがありましたが、コンデナスト・ジャパンというラグジュアリーブランドを取り扱うメディアがTikTokに参入したことで、ラグジュアリーブランドがTikTokユーザーから受け入れられることが分かりました。そして、ラグジュアリーブランドにとっては、TikTokは新しいユーザーの獲得と広告の目的に合う効果が得られるという発見がありました。

TikTok For Business Japanは、昨年末の大型フォーラム「TikTok For Business Year-End Event 2020」で発表されていた通り、2021年より、本格的にEC連携を強化していくと伺っています。

(詳しくはこちら「『興味突破』時代に向けて、2021年はEC連携を強化。 TikTok For Business大型オンラインフォーラムで今後の展望を発表!」>

ステイホームの時間が増え、ECへの取り組みを強化している広告主が増えている中、そこに対するソリューションをTikTok For Businessとコンデナスト・ジャパンが共同で開発することで、ラグジュアリーブランドにおいても、ECでの購入につながるような施策に取り組むことができればと考えています。

また、コンデナスト・ジャパンの子会社で、多くのインフルエンサー、TikTokクリエイターが所属するソーシャルタレントエージェンシー事業を展開しています。

ラグジュアリー事業でのニーズの高まりに合わせて、コンデナスト・ジャパンでは、TikTokクリエイターを活用したパッケージ商品の開発を検討しています。

より一層オンライン化が進む中で、コンデナスト・ジャパンが作るコンテンツの価値を感じ、早い段階でTikTokに参入したことに評価しているラグジュアリーブランドが増えています。

この流れは、今後ますます加速していくのではないでしょうか。

 

 

コンデナスト・ジャパンのTikTokでの取り組みについて、マーケター向け専門メディア「MarkeZine」にインタビュー記事が掲載されました。

こちらも併せてご覧ください。
https://markezine.jp/article/detail/35281

 

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