ゲーム開発者が収益化を実現するために、ユーザーに受け入れられる広告とは?–TOKYO SANDBOX 2022 講演レポート–
開催初日、Pangle ビジネスデベロップメント マネージャー井上 裕貴が登壇し、「アプリ向けカジュアルゲームの広告を使った成功戦略」と題したセッションを行いました。その後のパネルディスカッションでは、さまざまなテーマについて活発な質疑が行われました。
本記事では、セッションの内容から一部を抜粋してご紹介します。
「アプリ向けカジュアルゲームの広告を使った成功戦略」と題したセッションでは、ゲーム市場で浸透しつつある収益化モデル「リワード広告」や「プレイアブル広告」の今後と、ゲーム開発者がユーザー獲得と収益化の両方を実現するためのポイントについてご紹介しました。
ゲーム市場とユーザーの動向
Pangleが成功した背景にあるもの
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ゲーム市場は、世界でもトップクラスの規模となっており、既に広告でマネタイズをしているゲーム開発者が多く存在しています。
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Pangleは機械学習により、より高い精度でユーザーへの配信ができる機能を持っています。
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TikTokでの広告主はPangleに出稿できるため、サービス開始当初から、広告主の規模が確保できていました。
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日本では、広告でのマネタイズを積極的に行っている企業やPangleのSDKによってパフォーマンスを上げている企業など、Pangleを利用しているゲーム業界の企業や担当者に、積極的にPangleを広めていただきました。
プレイアブル広告市場の成長
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動画広告との比較では、プレイアブル広告から流入したユーザーのLTVが高くなりやすい傾向にある。その結果、プレイアブル広告の広告価値も高まり、アプリ事業者の収益も高くなるため、次第にプレイアブル広告を採用する企業が増加している傾向が見られます。
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一昔前は、プレイアブル広告の作成に数十万円程度のコストを要していたが、最近では、各社がプレイアブル広告作成ツールなどを開発しているため、低コストでクリエイティブ作成ができるようになった。その結果、昨年あたりからプレイアブル広告の利用が急速に増加しています。
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プレイアブル広告の活用はゲームが主流であるものの、最近では、自分のペースでマンガを試し読みできるクリエイティブなど、非ゲーム領域でも活用されるようになってきています。
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海外では、メーカー企業がブランディングを目的とし、自社商品をアピールするための簡単なコラボ型ミニゲームをプレイアブル広告で展開する事例も見られます。このようにプレイアブル広告は、活用の幅が今後さらに広がっていくことを期待されています。
ユーザー側の変化
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動画リワード広告の導入当初は、動画広告を見せるための導線設計も手探りで行っていました。その後、収益を重視した導線設計は広告のパフォーマンスを下げることが判明したため、ユーザーにとってもメリットがある動画リワード広告の導入が普及し始め、それにより、徐々に動画リワード広告に対するユーザーの理解度が上がってきています。
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当初はインディーズのゲームアプリへの導入が中心だった動画広告が、大手のゲームアプリでの導入が進み、SNSやVODアプリのコンテンツ内でも当たり前のように動画広告が利用されるようになり、動画広告に触れる機会が増えたため、ユーザーも徐々に慣れ始めています。最近では、動画広告を見ることがクリエイターの支援になっていることを、ユーザー側が理解し始めており、ゲームの内容を問わず、コンテンツが面白ければ動画広告を受け入れてもらえるようになってきています。
ユーザーに受け入れられる広告とは
受け入れられやすいリワード広告とは
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広告の設置場所がわかりやすいか:ゲームの世界観を崩すほど目立つ場所に設置する必要はないが、メイン画面やクリア画面などユーザーからの接触が多いページに、「動画マーク」や「CMを見てアイテムをゲット」といった吹き出しを入れるなど、ユーザーの目に届きやすくする工夫をすることが重要です。
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動画視聴のメリットを事前に知らせる:動画広告を見るメリットがなければ、広告視聴がされにくくなるため、できるだけ即効性のメリット(ゲームオーバー後の復活やガチャを1回引けるなど)をユーザーに付与することがおすすめ。逆に、動画広告を何回も視聴しなければアイテムが付与されないものや、ポイントを貯めないとアクションを起こせないものはあまり効果が期待できません。
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ゲーム進行を妨げない場所の数カ所に広告を設置する:ハイブリッド型ゲームで成功しているアプリの多くは、1つのアプリに対して少なくとも3カ所、多いと7〜8カ所に広告を設置しています。
ユーザーに嫌われないリワード広告の表示頻度
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同じ人に対して、1日に何度も広告を見せると効果が下がり、広告パフォーマンスに影響するため、5〜6分に1回程度の間隔で、1日最大7〜8回の視聴を促すのが最適です。
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ハイパーカジュアルゲームの場合、ゲームとゲームの途中でスキップ付きの広告を視聴させると、広告視聴に強制力を持たせてしまいます。そのため、4〜5ステージに1回程度の頻度での配信が推奨されます。
プレーヤーの獲得/広告の収益化
ゲーム進行を妨げないような広告の導線設計と、ユーザーのメリットとなる報酬を定めること以外に重要なことは、できるだけ複数のアドネットワークを併用して競争させることです。
アドネットワークにおいても、広告主の案件状況は常に変動するため、一つのアドネットワークに依存しすぎると、そのアドネットワークの収益が落ちた場合に痛手を負うことがあります。リスクヘッジのために、メディエーションを活用して複数社(目安として5〜6社)のアドネットワークのSDKを実装することをお勧めします。
ゲームジャンルから見た「ターゲティング」
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ハイブリッド型ゲーム:ユーザーを性別や年齢などのカテゴリに分けて配信設計するより、自社の持つファーストデータとネットワークとでデータ連携を行い、「AEO」「二段階入札」「ROAS最適化」など、ユーザーを深い粒度で分析しましょう。各社とも、確度の高いユーザーに広告を配信できる機能が整ってきているため、ネットワークのターゲティング機能に任せていくことも一つの手段です。
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ハイパーカジュアルゲーム:ジェンダーフリーで、国籍、年齢を問わないのがゲームの特徴であるため、ターゲティングを行うよりも、広く配信することが重要です。ターゲティングの精度を上げるよりも、クリエイティブの効果を高めることに注力し、反応が良い“当たり”のクリエイティブを見つけたら、配信プラットフォームを増やしてユーザーの拡大を目指しましょう。
カジュアルゲームでの成功において重要なポイント
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ゲームの製作・開発と同程度の熱量を持って、広告クリエイティブに注力することが重要です。スケールしているカジュアルゲームの多くは、広告クリエイティブを常に作成しており、トライアンドエラーを繰り返すことで精度を高めています。そのため、カジュアルゲームでの成功には、「マーケティングのリソースも、開発のリソースに負けない熱量を持つ」ことが重要だと言えます。
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