ポスト ATT 時代、アプリマーケティング戦略の本質とは:TikTok for Business JapanとAppsFlyer Japanの提言 | 【公式】TikTok for Business: TikTok広告

ポスト ATT 時代、アプリマーケティング戦略の本質とは:TikTok for Business JapanとAppsFlyer Japanの提言

2022-06-28

2021年4月26日は、アプリマーケターにとって忘れられない日になった。iOS 14.5へのアップデートにより、ATT(App Tracking Transparency)が導入されたのだ。

ATTにより、広告事業者がユーザーをトラッキングするために利用するモバイル識別子(IDFA)を取得するには、アプリごとにユーザーから同意を得なければならない状況となった。ユーザー理解のためのデータ元をIDFAに依存していた企業は、ターゲット設定と計測が突然困難になり、広告主やメディア、さらにそれにまつわるサードパーティ各社は混乱に陥った。

「欧州のEU一般データ保護規則(GDPR)だけでなく、日本でも今年4月に改正個人情報保護法が施行された。これまでのようにユーザーデータをシェアすることは困難になっており、プライバシーファーストの潮流は元に戻らない」と話すのは、モバイル計測パートナー(MMP)として世界No.1のシェアを持つAppsFlyer Japanの早川俊太郎氏と渡辺エリナ氏だ。両氏はこれからプライバシーを考慮したうえでアクショナブルなデータをアウトプットすることが、業界においてもマーケティングにおいてもスタンダードになっていくと指摘する。

メディア側も歩調を揃える。TikTok for Business Japanの新井正輝氏と小野稜馬氏は「以前ほどユーザーデータを精緻に理解できないなかで、どう情報を届けられるかがポイントとなる」と語る。そのためには、Appleが提供するIDFAを用いないアトリビューションソリューションであるSKAdNetworkの活用レベルを上げたり、TikTokのフィードのように「過去」をトラッキングしたりするのではなく、ユーザーが「今」何を求めているか、「次」に興味を持ちそうなものを、解析・理解できることの重要性が増すだろう。

いま迎えているポストATT時代を乗り越えるために、アプリマーケターにどんな視座が求められるのか。TikTok for Business JapanとAppsFlyer Japan、両社でアプリマーケティングの最前線に携わる4人に聞いた。

 

両社が共同制作したPlaybook、「AppsFlyerTikTok活用ガイド完全版 iOS14以降で成功を収める方法」のダウンロードはこちらから。

 

※このインタビューはDIGIDAYにて2022年6月22日に広告掲載したものです。
ポスト ATT 時代、アプリマーケティング戦略の本質とは:TikTok for Business JapanとAppsFlyer Japanの提言

――大前提として、ATTによってアプリマーケターを取り巻く環境はどう変わったのでしょうか?

新井正輝氏(以下、新井):現在、マーケティング業界のみならず各国や地域の行政レベルまで、あらゆるレイヤーで「プライバシーファースト」への移行が進んでいます。技術的な規制から法規制までさまざまな動きがありますが、アプリマーケターにとってインパクトがあったのが、2021年4月26日にAppleが導入したATTです。これによって、世界が一変したと言っても過言ではありません。

ATTの導入後は、iOSを使っているユーザーにアプリを使用する度、IDFAを活用していいかどうか「Yes」「No」の選択を迫ります。「Yes」と答えてくれたユーザーにはこれまで通りIDFAを引き続き使えますが、「No」と答えたユーザーに対しては使えなくなります。このことが特にアプリ領域の企業において、マーケティング戦略に多大な影響を与えることになりました。

新井 正輝/TikTok for Business Japan、Senior Product Marketing Manager, APAC measurement。2013年にサイバーエージェントに入社、PMとしてソーシャルゲームやポイントプラットフォーム事業の立ち上げを担当。その後ZOZOのPjMとして広告事業の立ち上げやWEARに参画。20年にTikTok for Businessへ入社し日本市場のATT/SKAN対応、Go-to-Marketをリード。現職ではAPAC市場で計測製品のプロダクトストラテジーとオペレーションの両輪の加速をすることがミッション。

早川俊太郎氏(以下、早川):言うなれば、これまではすべて可視化されていたものが、急にモヤがかかってぼやけてしまうようになったのです。ATTの登場と同時に「新たな審判」として現れたのが、Appleが提供するSKAdNetworkでした。SKAdNetworkは、2018年からAppleが提供しているプライバシーに配慮したアトリビューション方法です。

これまでは我々のようなMMPが「どの媒体でCPI(Cost Per Install)がよかったのか」といった効果計測をしていたのですが、ATTの登場によってSKAdNetworkでしか効果計測できない媒体も出始め、SKAdNetworkを使わざるを得ない状況になりました。つまり、アプリマーケティングの計測には、MMPとSKAdNetworkというふたりの「審判」が共存し、アプリマーケターは2つのソリューションを併用することが求められるようになったのです。

 

――プライバシー対応を考えれば止むを得ないですね。ただ、SKAdNetworkの計測には制約が多いと聞きます。

早川:おっしゃる通りです。SKAdNetworkはユーザーがアプリを起動した際に、Apple側で当該ユーザーが広告に紐付いているかを検証し、インストールのアトリビューション用にポストバックが送信されます。一見、一般的な計測に思えますが、インストールも含めポストバックは現状1度だけです。また、得られる情報も限られており、インストール後にユーザーがアプリ内でとった行動は、0から63までの数値、コンバージョン値で表されます。単純化して説明すると、アプリの課金額が0〜5000円の間だったら「5」に、5001〜10000円だったら「10」といったルールを予めMMP経由で設定しておき、ポストバックされたコンバージョン値から広告を評価・分析するイメージですね。

つまり、アプリ上でユーザーがどのような行動をとればどの値がポストバックされるのか、63個の値にいかに意味づけするかが非常に重要になります。これをアプリマーケターが実現するには、良質なユーザーの行動やそのタイミング、媒体を評価するために必要なイベントデータといった要素を複合的に組み合わせて、自社アプリの全体最適理解を図らなければいけないのです。MMP側の計測であればリアルタイムに次々とユーザーの行動がポストバックされていたので、そのような考え方は必要ありませんでした。しかし、それではSKAdNetworkでの計測と広告評価は成立しません。

早川 俊太郎/AppsFlyerJapan、シニアパートナーデベロップメントマネージャー。メディアレップ、広告代理店にてアプリマーケティングのプランニング、メディア仕入れ、運用、レポートに従事した経験を生かし、2017年5月にAppsFlyerへ入社。AppsFlyerのエバンジェリストとして、代理店認定制度ソリューションパートナープログラムを運用。代理店へのトレーニング、メディアパートナーのサポートを通し、広告主のビジネスの最適化に貢献することに幸せを感じている。

 

――なるほど。漫然とデータを見るのではなく、本質的なマーケティングが求められているんですね。

渡辺エリナ氏(以下、渡辺):とはいえ、コンバージョン値にどのような意味づけをするのか、そのルール設計は容易ではありません。こうしたなかで、AppsFlyerの役割は、アプリマーケターに対しベースとなるアイデアを提供することであり、実際に豊富なルール設計の選択肢を提供できると自負しています。

制約があるのは事実ですが、それを見越したうえでどうやってSKAdNetworkを利用し計測するか、という思考に切り替えることが重要になります。

渡辺 エリナ/AppsFlyer Japan、パートナーデベロップメント ディレクター。国内外の代理店、アドネットワーク、マーケティングプラットフォームなどのパートナーのビジネスをサポート。AppsFlyer参画前は、大手広告代理店にて約10年、ストラテジストとしてBtoCからBtoBと幅広いクライアントの戦略を担当。2017年から2019年まで世界最大のFMCGクライアントを担当し、データドリブンのマーケティング戦略立案の経験を豊富に持つ。

新井:SKAdNetworkの制約は、大きく「1回しかポストバックされない」「情報量が限られている」「リアルタイムで計測できない」の3点です。つまり、各マーケティング施策がどうコンバージョンに結びつくのか、マーケターはこの3つの制約を前提にして仮説を立てる必要が出てきました。IDFAではどうすればコンバージョンするのか、「答え」が明確にわかるのですが、SKAdNetworkにおいては、より仮説と検証を繰り返す必要があります。それこそがもっとも大きな課題であり、マーケターとして取り組むべき本質的な部分ともいえるでしょう。

 

――ポストATTの影響は媒体としてのTikTokにとっても無視できないものだったと思うのですが、いかがでしょう?

小野稜馬氏(以下、小野):大きく2つ、「計測」と「最適化」への影響がありました。つまり、IDFAという個人データが取得しにくくなるために「計測」が難しくなり、データによってアプリの「最適化」も行っていたので、それも難しくなりました。

ただし、SKAdNetworkについてはATT施行の時点ですでに対応しており、TikTok for Businessの広告配信においても、インストール後の課金や会員登録といったユーザーの行動に対して直接最適化する機能を提供しています。また、TikTokにおいてはゼロパーティデータを保持することで、ユーザーがどんな商品やサービスに本当に興味があるのかといったシグナルを直接獲得できており、それらを最適化することでエンゲージメントを高められています。

これまでは、IDFAをユーザーの性別や年齢といった情報に紐付けて、機械学習の最適化をしていました。つまり「過去」のデータが重要視されていたのです。しかし、その流れは変わっており、重要なのは「今」のデータになったと考えています。TikTokのキャッチコピーは「きみが次に好きなもの」です。短時間でユーザーが多くのコンテンツを消費するため、ユーザーが「今」なにが好きなのかを最適化し、分析できる。シグナルレスの時代においても、TikTokのような「今」のデータを最適化する機能は非常に強みを持っていると自負していますし、媒体のゲームチェンジが起こっていると考えています。

 

――アプリマーケティングの前提が変わり、媒体の持つデータの意味も変わり、マーケターもその視点を大きく変える必要がありますね。

新井:同じ目的を達成するために同じ方法を取ることはもうできず、別の方法を考えなければいけません。これまでのアプローチの代替手段としてIDのようなゼロパーティデータをユーザーに作ってもらうのもひとつの方法でしょう。他方で、これまでの延長線や代替手段だけで対処する思考から抜け出さないと、これからはまったく通用しない。まずそこが、長期的な戦略を考える上での大前提になると思います。

計測環境やとり得るマーケティング施策も変わらざるをえないので、KPI計測や戦略そのものを見直す必要があります。特に現場のマーケティング担当者だけでなく、経営層やリーダーにとっても必要になります。

小野:その一環としてTikTokではAEO(App Event Optimization)、つまりアプリインストール後の会員登録や課金に対しての最適化機能を提供しています。たとえば、より課金しやすいユーザーに最適化するという配信をすることも可能です。一方、SkAdNetworkの制約により、最大でも初回起動から72時間以上経った後の課金等のアプリイベントはポストバックすることができません。そこで、間接的に課金を発生しうるインストール直後のユーザー行動を特定し、それに最適化することで実際に課金率を向上させるなどの成果も出ています。

小野 稜馬/TikTok for Business Japan、Product Marketing Manager, Performance Ads。2019年からインターンとしてオーディエンスネットワークPangleの立ち上げ、オークションコア機能の日本市場投入戦略に従事。2021年、TikTok for Business JapanのProduct Marketing Managerとして入社し、TikTok for Businessのアプリ広告プロダクト日本市場責任者を担当する。

また、SKAdNetworkの制約であるリアルタイム性の欠如を克服するため、「アプリプロフィールページ」という中間ページをTikTok内に設定しました。SKAdNetworkではアプリの初回起動からエンゲージメントデータがポストバックされるまで24時間以上かかるため、リアルタイムでは把握できません。

一方、アプリプロフィールページはTikTok内にあるので、このページを経由することでアプリをインストールした際に、ユーザー情報が獲得できます。これによりリアルタイムな機械学習ができ、分析精度の向上につながるのです。CPIが平均で20〜30%低下するという結果が出ており、新しいソリューションとしてアプリマーケターに活用いただけると考えています。

 

――もはや以前の当たり前に戻ることはなく、いま起きている変化がこれからのスタンダードになります。その未来を見据えたとき、マーケターはどう立ち振る舞えばいいと思いますか?

渡辺:欧州では2016年にGDPR、日本でも今年、改正個人情報保護法が施行されるなど、プライバシーファーストの潮流は不可逆的なものです。これはアプリ領域だけの話ではなく、すべてのデジタルコミュニケーションにおいて、プライバシーの保護が前提条件となってくるということです。

つまり、プライバシー保護をしながら、いかにしてアクショナブルなデータをアウトプットするかがポイントとなってきます。しかし、これらを1社で取り組むのは、リソース的にも規模的にも難しいでしょう。我々のようなMMPのソリューションも活用いただき、さまざまなプレーヤーがタッグを組んで解決策を見出すことが重要だと思います。AppsFlyerでは、オープンで信頼性が高く安全なデータクリーンルーム環境で、優れたカスタマー体験とプライバシー保護の両方を実現するPrivacy Cloudをリリースしています。こういったソリューションは、まさにいま求められています。

新井:これまでのマーケティングは、ユーザーを特定し、精緻に把握することが定石でした。しかし、プライバシー保護の流れが加速すると、ユーザーのデモグラや興味関心などのデータを把握しづらくなり、当然最適化やリターゲティングできる見込み顧客も少なくなる(=ユーザーの興味関心や好きなものを把握できない広告媒体が増えていく)。この流れですべき対応は、2つあると思います。

1つ目は、渡辺さんが話されたように「プライバシーを守りながら、代替手段を模索していくこと」。AppsFlyerのようなパートナーとセキュアな手段の探索は継続的にしていきます。TikTokもそのためにリソースをかけて取り組んでいます。

2つ目は、「ユーザーデータを把握しづらくなるなかで、どう情報を届けるのか」を考えることです。TikTokのおすすめフィードのなかでは短時間でユーザーが多くのコンテンツを消費するため、ユーザーが「今」なにが好きなのかを最適化し、分析できる強みを更に磨いたりと、IDFAに依存しないさまざまなアプローチを提示していきたいですね。

 

Sponsored by TikTok for Business Japan

Written by DIGIDAY Brand STUDIO(海達亮弥)
Photo by 渡部幸和

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