新しい時代のコンテンツ主導型商取引について分析したレポート「エンタテインメントコマース:APACに1兆米ドルをもたらすビジネスチャンス」を公開

2022-08-26

TikTok for Businessは、戦略コンサルティング会社であるボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)に委託し、新しい時代のコンテンツ主導型商取引エンタテインメントコマース」について調査データを基に分析、作成したレポート「エンタテインメントコマース:APACに1兆ドルをもたらすビジネスチャンス」をグローバルでリリース。その日本語版を8月26日に公開しました。

レポートでは、日本、韓国、インドネシア、タイ、ベトナム、オーストラリアを含むAPAC全体の市場を調査、テクノロジーによってもたらされた膨大な選択肢が「消費者の発見」「信頼性」「コミュニティ主導のレコメンデーション」に対する欲求を形成し、オンラインコマースの次の時代である「エンタテインメントコマース」を生み出していることを明らかにしています。 

BCGのレポートでは、APACにおける「エンタテインメントコマース」は、年平均成長率(CAGR)が63%で成長すると予測され、APACの貢献度上位3市場は、インドネシア、日本、韓国となっています。

新しい時代のコンテンツ主導型商取引について分析したレポート「エンタテインメントコマース:APACに1兆米ドルをもたらすビジネスチャンス」を公開

「エンタテインメントコマース」とは

「エンタテインメントコマース」は、第一に「娯楽」と「学び」を追求しつつ、同時にコンテンツとコミュニティを統合し、臨場感溢れる購買体験を生み出すコンテンツ主導型商取引と定義されています。テクノロジーの導入拡大によって生じた消費者意識の変化に対応しており、体験的なエンゲージメントによる、感動的な本物のブランドコンテンツを求める消費者を引きつけることができます。

APACの「エンタテインメントコマース」成長市場

APAC(アジア太平洋地域)においては、「エンタテインメントコマース」が“デジタル疲れ”したこの地域の顧客を引きつける機会となり、市場価値は2025年までに1兆米ドルになると予想されています。

でも6つの主要な高成長市場(オーストラリア、インドネシア、日本、韓国、タイ、ベトナム)には、非常に大きな価値を生み出すビジネスチャンスがあると考えられます。

  • eコマース全体の流通取引総額(GMV):2022年から2025年の間に、5,000億米ドルから7,000億米ドルに増加すると予想される

  • 「エンタテインメントコマース」の流通取引総額(GMV):2022年から2025年の間に、240億米ドルから1,000億米ドルに増加すると予想される

デマンドスペースで消費者ニーズを把握

デジタル消費者が成熟し、グローバル市場では独自の言語や定義によるオンラインでの交流や購買が行われるようになりました。BCGでは、このような状況を独自の視点から分析し、より効果的なマーケティング活動につながる有益な情報提供の手段として「デマンドスペース法」を活用しています。「デマンドスペース法」は、消費者の発言そのものから得た深い洞察に基づくユニークなアプローチであるため、ブランド志向にとらわれることなく、消費者の真のニーズを理解することができます。

BCGは、詳細な民族的知見とデマンドスペース法の定量調査によって、拡大する「エンタテインメントコマース」分野を分析。それにより「機能的ニーズ」「感情的ニーズという2つのコアグループをまたぐ6つのデマンドスペースを特定し、それぞれのデマンドスペースが、購買プロセスにおいて独特な役割を占めていることを明らかにしました。

 

機能的ニーズ

消費者が新しい選択肢を考えることなく、既存の製品やサービスだけに注目し、習慣的に取引を行うところであり、eコマースのバリュー・エコシステムの60%を占める。

  • 『利便性』(私にとって簡単)
  • 『改善』(私にとってより良い)
  • 『妥当性』(私にとって確認済である)

 

感情的ニーズ

変化が生まれるエキサイティングな場所で、消費者は積極的に新製品を検討し、ブランドの切り替えを選択している。これらはまさに「ここぞという場合」であり、eコマースのバリュー・エコシステムの40%を占める。

  • 『レコメンド』(私に助言してくれる)
  • 贅沢(私を甘やかしてくれる)
  • 『インスピレーション』(私を刺激してくれる)

 

「エンタテインメントコマース」は、ブランドが「感情的ニーズ内の消費者を引きつけられるよう、興奮、信頼、知識、情熱をかき立てるコンテンツを提供。それによりブランドには、「ここぞという場面」で、消費者に主要な切り替え行動を起こさせるチャンスが生まれます。これがハロー効果を引き起こして購買プロセス全体に影響を及ぼし、消費者の購買行動を変化させるため、「機能的ニーズでも顧客を獲得できるようになります。

市場に応じた「エンタテインメントコマース」の導入

国や地域による消費者感情の違いは、「エンタテインメントコマース」の導入に影響を及ぼすため、その市場のニーズと欲求に対応した5つの感情的タッチポイント(顧客接点)を通じて、「エンタテインメントコマース」を活用し、市場の成長を追求することが重要です。

  • ストーリーを伝え、学びを提供する
  • ビデオファーストを最重視する
  • 意思決定を無理強いしない
  • 本物である
  • トレンドをレコメンドする

 

これらは、「明確な情報を与える」「購入への確かな道筋を確保する」という「機能的ニーズ内の基本的なニーズによって補完されます。

そのためブランドは、以下の「4つのC」の成功戦略を通じて、「エンタテインメントコマース」の成長を促すことができるようになります。

  • エンターテインメントを重視しつつ問題点を取り除く、明確な計画を持ったキャンペーン(Campaign)戦略
  • 適時に切り替えを促すために、適切な顧客を特定する、顧客(Customer)セグメンテーション
  • ビジネスチャンスを開くための、専門のリソースを備えたチャネル(Channel)管理
  • ビデオファーストのアプローチを使って消費者に刺激や情報を与える、コンテンツ(Content)プレイブック

 

これからのトレンドとなるコンテンツ主導型商取引「エンタテインメントコマース」では、「顧客を感情的に引きつける」「刺激的な本物のコンテンツを活用する」という部分を慎重に練り上げた戦略を用いることが必要になります。

 

Vice President of Global Business Solutions, APAC Sam Singh氏コメント:

Eコマースでは、常に最適な商品を適切なユーザーに、効率的に提供することが重要です。しかし、消費者の購買習慣は進化しており、人々はオンラインで喜ばれることを求めています。誰も売り込まれたくはありませんが、楽しませることなら「イエス」と言うでしょう。

レポートは、ブランドが消費者に「娯楽」と「学び」を届けるコンテンツ・ファーストのアプローチ「エンタテインメントコマース」を採用する機会を提供するものです。

「エンタテインメントコマース」は、コンテンツ、カルチャー、コマースをシームレスに組み合わせ、ブランドはあからさまな売り込みをすることなく、購買プロセスを通して消費者と関わることができます。これにより、ブランドは機能的なニーズと感情的なニーズの両方を満たすことができ、より強く長い関係を築くことができるのです。

 

BCG マネージング・ディレクター兼パートナー アパルナ・バラドワジ氏コメント:

「エンタテインメントコマース」は、ブランドにとって、消費者の購買意欲を刺激し、消費者主導の真の意味でのスイートスポットを提供することができます。

特に消費者が新しい製品や体験を求める重要な瞬間に、「ブランドの願望」を「消費者の欲求」と一致させることで、購買プロセスを通じて消費者の印象に残る、没入感の高いオンライン体験を可能にします。

ブランドは「エンタテインメントコマース」によって、1兆ドル規模の購買意欲から有利なシェアを獲得し、成長を目指すことができるのです。

 

上記以外の詳細な分析結果については、「エンタテインメントコマース:APACに1兆ドルをもたらすビジネスチャンス」レポートにまとめています。

 

ボストン コンサルティング グループ(BCG)について

ボストン コンサルティング グループ(BCG)は、1963年に設立され、戦略コンサルティングのパイオニアとして、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことを目指す変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。

 

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