プラットフォーム環境の変化に伴う、効果測定の最新動向|WARC白書 徹底解説② | 【公式】TikTok for Business: TikTok広告

プラットフォーム環境の変化に伴う、効果測定の最新動向|WARC白書 徹底解説②

2023-06-14

TikTok for Businessとマーケティングの効果検証・分析に関する世界的権威のWARCが共同制作した白書「エンターテインメントでビジネスインパクトを最大化するための最新情報」では、4つの章のテーマを調査結果や成功事例とともに解説し、国内外の各業界の専門家による見解をご紹介しています。

本記事では、『第2章:効果測定の方法について最新動向を把握する』の内容について詳しく解説します。

プラットフォーム環境の変化に伴う、効果測定の最新動向|WARC白書 徹底解説②

『第2章:効果測定の方法について最新動向を把握する』では、今後の計測に影響を与える主な業界の動向と、より良いインパクトをもたらすために何を変える必要があるのかについてご紹介しています。

『第1章:ファネル全体でインパクトを与える』の解説はこちら

計測の未来

デジタルの世界では、プライバシー保護を重視する傾向が強くなっており、プラットフォーム環境も常に進化し続けている中、測定や計算は迅速化が求められています。

測定ソリューションの効果を高めるためには、常に最新の動向をキャッチすることが不可欠です。

 

1. Cookieの廃止による新しいデータソリューションの登場

Cookieはウェブサイト上でユーザーの行動や嗜好を追跡するためのトラッキング技術です。データ保護やプライバシー保護の観点から、Cookieの使用に対する制限や禁止は、広告業界に多大なる影響を及ぼしています。

ユーザーの個人情報の保護が強化される一方で、広告主はユーザープロフィールを分析したり、パーソナライズされた広告を配信したり、キャンペーンの効果を測定することが困難になります。そのため、広告主はより匿名性の高い手法や別のデータソリューションを採用する必要があります。

下記は新たに登場した3つのデータソリューションをご紹介します。

 

ファーストパーティデータ:

一般的にプラットフォーム側がリクエストしたり、推奨する「ユーザープロファイル」のことを指します。

 

グループベースターゲティング(Group-Based Targeting)

一人ひとりの個別の属性や行動履歴に基づくのではなく、「コホート」とも呼ばれる、ユーザーを匿名で特定のグループやセグメントに分類し、各グループに対して広告配信を行うターゲティング手法です。

 

コンテクスチュアルターゲティング(Contextual Targeting)

Cookieでのターゲティングとは異なり、匿名であることを前提に、広告配信を特定のコンテンツの文脈やコンテキストに基づいてターゲティング手法です。

 

2. 新たなMMM(マーケティングミックスモデリング)への移行

MMM(マーケティングミックスモデリング)は、過去のデータや実験結果を基に、マーケティング活動の投資対効果や収益への影響を評価し、最適なリソース配分やマーケティング戦略を立案するための分析手法です。

Cookieや他のユーザーレベルのデータに頼らずに分析できるため、SaaS(Software as a Service)ベースのミックスモデルやオンデマンド機能の構築など、テクノロジーを活用した新たなMMMへの移行が進んでいます。

SaaSベースのミックスモデルは、データがクラウドに保存されているため、企業のニーズや要求に応じて必要な機能を必要な時に利用できる柔軟性とスピードに優れ、業界平均との比較や過去のデータとの対比を行うことで、自社の位置づけや成果を評価するなど、比較可能な測定を可能にします。

ミックスモデル以外にも、クリエイティブのパフォーマンスを評価するために人工知能や機械学習が導入されるなど、さまざまな革新が見られています。これにより、クリエイティブの効果やスコアをより精確に予測・評価することが可能となります。

 

3. AIを活用した広告テストの登場

デジタルマーケティングキャンペーンのペースと規模の拡大が加速し続ける中、ブランドはコンテンツの企画から制作、配信、データ分析に至るまで、コンテンツに関する一連を再考し、効率化することが必要になります。

Kantarなどの調査会社によって、ブランドがより迅速かつ効果的にクリエイティブを評価し、ビジネスの意思決定を加速させるためのAI搭載ソリューションが開発されています。

業界の専門家による見解

「Eコマース、リアルリテールにおけるキャッシュレス決済、モバイルオーダー等、『購買のデジタル化』が加速度的に進んでいる中で、『購買までの効果を計測する』『購買を起点に、消費者のインサイトを読み解く、メディアのアロケーションを最適化する』ことが可能になってきてると感じています。その土台として、data clean roomやAPIを介したオフラインCVデータの接続、Marketing Mix Modeling等を含め、新しい計測環境、データ/テクノロジースタックのセットアップが必要になると考えています。こうした環境において、ブランド認知から収益化まで、フルファネルでのマーケティング活動の効果を適切に計測し、プラットフォーム戦略についてより多くの情報に基づいた意思決定を行うことが重要だと思います」

Tomohiko Sugiura | Executive Vice President | Dentsu Digital Inc.

 

電通デジタルの新しい計測環境については、こちらの記事でもご紹介しています。

電通デジタルが Cookieに依存しない計測基盤「X-Stack Connect」でのTikTokへの連携を開始

まとめ

プライバシー保護を重視する時代において、効果的な計測を実現するために以下を覚えておきましょう。

  • 独自のファーストパーティデータを構築し、プラットフォーム上のシグナルを活用することで、コンテクスチュアルターゲティングを強化し、Cookieに依存しない未来に備える。

  • 大規模に広告効果をより効率的に測定するため、SaaSベースのモデルを実験的に導入する。

  • AI搭載ソリューションを活用し、より効率的にクリエイティブを検証・評価する。

 

その他、詳しい内容については「エンターテインメントでビジネスインパクトを最大化するための最新情報」をご覧ください。