エンゲージメントを高めるTikTokデジタルマーケティング戦略 | 【公式】TikTok for Business: TikTok広告

エンゲージメントを高めるTikTokデジタルマーケティング戦略

2022-10-21

2022年9月15日~18日に開催された『東京ゲームショウ2022』。中でもビジネス関係者の注目を集めたのが、「TikTok for Business」の出展ブースだ。

多彩なプログラムが組まれる中、15日にはセガ コミュニケーション推進部の向 大地氏や、ブシロード 海外HQの森下 明氏が、それぞれTikTok for Businessとセッション。最新のTikTok広告活用事例を踏まえながら「TikTokにおけるデジタルマーケティング戦略」について語り合った。ここでは、その2つのセッションの要諦を取り上げる。

 

※このインタビューは日経クロストレンドにて2022年10月17日に広告掲載したものです。

エンゲージメントを高めるTikTokデジタルマーケティング戦略

フォロワー数拡大を実現するアカウントの作り方とは

坂井:TikTok for Businessの坂井です。今日はセガの向さんと、「ゲーム業界国内最大級の公式アカウントの作り方」と「広告媒体としてのTikTok」という2つのテーマでセッションしたいと思います。早速ですが、セガさんがTikTokの公式アカウントを開設したきっかけを教えてください。

向:セガは歴史のある会社なので、ターゲットの年齢層が高いゲームも多いのですが、やはり若い人にもプレイしてもらいたい。そういった意味で、Z世代をはじめとした若年層への認知拡大が一番の理由でした。もう一つは、ユーザーとのコミュニケーションですね。

坂井:セガさんは2021年6月にTikTokの公式アカウントを開設し、22年9月現在はフォロワー数が約66万人、コメントが約30万件、閲覧数は合計で約5000万回を達成しています。この数字を約1年3カ月で獲得されたわけですが、フォロワーの伸びた要因をどう分析されていますか。

向:閲覧数が急激に伸びたのは22年3月からです。元々、「ソニック」というキャラクターのファンが多く、彼らの反応は良かったんです。そこで、ソニックにTikTokでバズっている非言語系のコンテンツをやらせてみたり、TikTok専用のソニックの着ぐるみを作ったりしました。このあたりがきっかけになって、フォロワーが伸びていったと感じています。

坂井:ソニックは気軽にバズっているコンテンツに乗っかりますよね。伝統あるセガさんとは思えないくらいです(笑)。セガさんはTikTokの特徴をどう捉えていますか。

向:TikTokは個別のコンテンツで判断される印象です。面白いコンテンツが1つあれば、それが何百万回も再生されます。ある意味、毎回、打席に立ってバットを振れるので、面白いと思ったらすぐに投稿するスタイルを取っています。結果として、PDCAも回しやすい。むしろ、C:チェックとA:アクションを飛ばしているかもしれません。もう一つ、最初は日本のお客様をメインに日本語で投稿していましたが、気づいたらグローバルのフォロワーさんが増えているのも特徴的ですね。

坂井:セガ公式アカウントの国別フォロワーを見ると、アメリカが36%、メキシコ9%、ブラジル6%、日本はチリとイギリスと同じ4%ですね。ちなみに、一番ヒットした動画は何でしたか。

向:長崎の動物園とコラボした、ソニックがたくさんのカピバラたちと戯れる動画です。440万回再生を達成しました。TikTokは15秒や30秒で収まるので、企業やクリエイターとのコラボがやりやすいし、手弁当で作っているのでお金がかからないこともありがたい。また、TikTokはコミュニティ施策の一つと考えています。当然、1週間や1カ月では効果が出ませんが、ユーザーさんと一緒に楽しむ気持ちでいいと思います。

リリース時の認知に効果的なTikTok

坂井:ここからは2つ目のテーマ「広告媒体としてのTikTok」に移ります。私たちTikTokでは、ファネルに応じたソリューションメニューを用意しており、例えば「興味」の段階なら、認知広告として「TopView」や「#チャレンジ」といったサービスメニューを提供しています。セガさんにも昨年、「#チャレンジ」で「#どっちもわたし」を実施していただきましたが、狙いや目的を聞かせてください。

向:昨年、オンラインRPGシリーズの最新作『PSO2 ニュージェネシス』がリリースされました。そのタイミングで若い世代を獲得するために、「#チャレンジ」を採用したんです。若い方に人気のあるクリエイターやアーティストの皆さんとコラボをして、動画再生は約2.5億回再生、動画投稿は3万5000以上を達成しました。つまり、3万5000人以上の方々が、『PSO2 ニュージェネシス』を理解したうえで動画を作成したということになるので、IP(キャラクターなどの知的財産)自体の訴求も強いと思っています。

坂井:購買につなげる「パフォーマンス広告(運用型動画広告)」も出稿していただいていますよね。

向:アプリに関しては『ぷよぷよ』や『北斗の拳』など複数のタイトルでやってます。中でも、『北斗の拳』との相性は良かったと思います。CPI(Cost Per Install:インストール当たりの広告コスト)が低めの印象を受けました。

坂井:TikTokのユーザー層も35歳以上の比率が高くなっているので、『北斗の拳』はドンピシャ世代です。では最後に、これから試してみたいTikTokの活用法があれば教えてください。

向:人事HR系ですね。新入社員をはじめとして、これからセガに入社する人に向けてTikTokの生配信を行ったり、ユニークな採用動画を作ったりして、応募につなげたいと思っています。あとは、王道ですが新作タイトルリリース時の宣伝。ゼロからではなく、約70万人のフォロワーに向けて訴求できるのは大きな強みです。

TikTokユーザー層の拡大によりゲームマーケティングも変化

パトリック:TikTok for Businessでゲーム担当の広告ビジネスに携わっているパトリック チェンです。ゲストの森下さんは、ブシロードの海外HQ(ヘッドクォーター)ヘッドオブモバイルを務められており、ゲームのプロデューサーだけでなく、マーケティング戦略立案やWebとマスを合算したトータル予算の最適化を手掛けられています。今日は、TikTokがこの1年でどうアップデートして、それによりゲームとの関係性がどこまで進化したか、森下さんの見解やコメントを交えながら話していきたいと思います。まず、TikTokは昨年、GLOBAL MAUで10億人突破という象徴的な数字を達成しました。森下さんはこの数字から何を読み解きますか。

森下:TikTokは非常に高い成長率で、ユーザーの年齢構成も変化していると感じています。初期の若い人中心というフェーズを抜け、マスのプラットフォームへと進化し、動画サイトへの送客機能としても重要なプロダクトになったと認識しています。実際、当社の動画サイトのチャンネルにもTikTokからは性別年齢を問わずに大勢が流入してきます。

パトリック:年齢で言えば、最近の調査では、25歳以上のユーザー比率が上がっています。若年層中心のユーザー構成が少しずつ是正されており、全体的にバランスの良い年齢構成になってきました。そういった中で、情報発信の拠点であるソーシャルプラットフォームという役割に加えて、ユーザーに何かしらのアクションを促す役割も強く意識されるようになっています。

森下:ブシロードは、IPデベロッパーとしてアニメ制作を行っていますが、昔はテレビで放送すれば盛り上がって、IP認知が広がっていきました。ところが今は様々な媒体にユーザーが付いています。コンテンツの供給量に対して、ユーザーの視聴時間というのは一定なのでその奪い合いをしている中で、TikTokの短尺動画でユーザーのアテンションを引く仕組みは送客に向いていると思います。

パトリック:もう1つのトピックスとして、この1年よく言われた言葉に「TikTok売れ」があります。例えば『Among Us』というゲームは、ゲーム動画だけでなくて、関連動画が様々に作られて、ハッシュタグ付きの動画が約600億回再生という爆発的な広がりとなりました。最初はゲーム動画、次にクリエイターによるオリジナル動画、その後、現実世界において、コスプレなどで『Among Us』的なシチュエーションを実際に演じるという現象が発生。最終的には、エフェクトを使って『Among Us』とコスメ商品のコラボまで発展しました。

森下:客観的に見て、「TikTok売れ」する商材は、ネーミングやコンセプトの段階から「TikTok売れ」を前提に設計されているのではないかと思っています。ただそれがTikTokと商材の相性なのか、どこまで設計すればいいのか、「TikTok売れ」の再現性を担保するために抑えるべきポイントやヒットを生むために満たすべき条件があれば、アドバイスいただきたいですね。

パトリック:確実な成功法を取り出すには、実はまだまだ事例の蓄積が必要な状況です。ヒントになるとすれば、先ほど話した『Among Us』の事例ではないでしょうか。プレイ動画にとどまらず関連動画が広がれば、ゲーム自体に興味がない人でも関心を持つ効果があると考えています。

ゲームの売り上げ拡大に活用したいTikTok最新ソリューション

パトリック:TikTokにおけるゲームの広告売り上げは19年から21年までに約2.5倍に増加しています。コンテンツ成長率も昨年比で200%と、TikTokとゲームの親和性は高いと言えます。ただし、コンテンツの数が増えるということは、ユーザーターゲットやクリエイティブの方向性も多様化することになり、ゲームやサービスにリーチしてもらうターゲティングがより難しくなるという側面も出てきています。

森下:私も仕事でTikTok広告をUA(ユーザー獲得)目的で使っています。個人的な印象ですが、TikTokはCPIが安くて、LTV(顧客生涯価値)が低い。そこに対してどうアジャストしていくかを考えなくてはいけません。基本的にはTikTokのレコメンドシステムは非常に優秀で、ブロード配信のKPIに対して最適化されるのでそこは任せてしまえばいい。私たちはクリエイティブのA/Bテストをひたすらやるだけです。もちろん、CPIとLTVの関係で、広告の効果を回収できないこともあるでしょう。そのときにマーケターがやることは、やめるという判断でもなければ、広告の最適化でもありません。やるべきことは、プロダクトのプロデューサーなど、開発側を動かすことです。そうしなければ、勝てるプロダクトにはならないし、勝てるマーケティングはできないと思っています。

パトリック:最後に、TikTokの広告メニューの新しい機能についてお話しします。新機能は、「Spark Ads」「Display Card」「App Profile Page」の3つがあります。「Spark Ads」は、広告主の広告にプラスしてユーザーが生成したコンテンツもコンバインすることで、より高い効果を得ることができます。「Display Card」はTikTok オークション広告の革新的な拡張機能。通常のCTAボタンよりも視認性を高めて、情報もたくさん入れ込んでCPRを高めます。「App Profile Page」は、リアルタイムなユーザー特性を詳しく知る効果が期待されています。こうした新たな機能をはじめ、TikTokでは、ブランディングとパフォーマンスを同時に進めていく「フルファネルのブランディング」を可能にするプロダクトサービスが続々と登場しています。それらを活用し、売り上げを最大化する機会を作っていただきたいと考えています。

セッション終了後、改めて森下氏に「TikTokのマス化と広告の変化」について、意見を伺った。

「マス化によってコンテンツが多様化すれば、もちろん多様なターゲティングが必要となりますが、その中で今までのユーザーとは違うユーザー層へのターゲティングの切り口も生まれてくるはずですし、それはクライアントの幅を広げると考えています。そのうえで多様なコンテンツに適したレコメンドを走らせることができれば、TikTok広告の価値はこれまで以上に上がるのではないかと期待しています」(森下氏)

それに対し、パトリック氏はゲーム業界との関わりも含めた今後の展望を語った。

「今までのTikTokは、デジタル感性が高く、新しいものが好きで、さらにゲームにも興味を持つユーザー層に訴求するツールが、必ずしも完全ではありませんでした。しかし今回紹介した新機能を含めて、ここ1年で改善を重ねてきました。プラットフォームとしての進化はもちろんですが、ゲーム業界においても広告発信のフェーズが変わっていく中、TikTokはゲームビジネス、ゲームコミュニティを着実に発展させていく役割を担っていきたいと思います」(パトリック氏)

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