TikTokクリエイターの魔法にかけられて!ブレイク商品を生み出すマーケティング手法
TikTok for Businessでは、広告主とTikTokクリエイターがダイレクトにコミュニケーションできる公式プラットフォーム「TikTok Creator Marketplace(TTCM)」にある300本以上の人気動画の分析と調査を行い、広告主向けに分かりやすく解説した「TikTokクリエイター活用ガイド(英語版)」を作成しました。
TikTokクリエイターがブランドや商品の大ヒットを後押ししたという話を聞いたことがあると思いますが、実際に商品の完売やブランドのブレイクのきっかけになっています。
2023年に入り、経済やインターネット上の習慣が変化しても、TikTokクリエイターを活用したマーケティングは依然、広告主にとってオーディエンスにリーチするための効果的な手段であり続けています。
景気が低迷する中、人々は自分を癒すために洋服やハイテク製品などの「楽しみ」を求めています[1]。さらに、TikTokユーザーの64%が「クリエイターの動画を見て商品を購入している」こともわかっています[2]。
つまりブランドは、クリエイターと協力して質の高いコンテンツを作る方法さえ知っていれば、TikTokで成果を上げ続けることができるのです。
また、ブランドとTikTokクリエイターのコラボレーションを実現する公式プラットフォーム「TikTok Creator Marketplace(TTCM)」の動画の分析と調査により、「『質の高いコンテンツ』とは何か」「どのようなクリエイター動画が最も強いパフォーマンスを発揮するのか」ということが明らかになりました。
本記事では、広告主がTikTokクリエイターを活用したマーケティング戦略を成功させるための実用的な情報を調査結果とともにご紹介します。
TikTokクリエイターの活用が成果を上げる理由
大手企業や革新的なブランドは、従来の広告の作り方ではなく、クリエイターとのコラボレーションという新しい広告の可能性を探索しています。
なぜなら、TikTokクリエイターは、ユーザーの広告主に対する好感や信頼を築き、成果につなげることができるからです。
例として、Hyundaiが最近配信したコンテンツをご紹介します。
Hyundaiは、精巧なチョコレート彫刻を作ることで知られるクリエイター@amauryguichonと、デュエット機能を活用して、他のクリエイターが作成した奇抜なフード作品の動画と自分の動画を並べて投稿する@chefreactionsとコラボしました。
@amauryguichonがHyundaiの新型電気自動車(EV) 「IONIQ 6」のチョコレートモデルを作成し、@chefreactionsがそれに応えてデュエット動画を投稿。最終的に、TikTokでコンテンツを盛り上げるためのクリエイティブに加え、ブランドメッセージを巧みに取り入れた動画が完成しました。
このような動画が効果的な理由をより深く理解するために、私たちはTikTokの公式プラットフォーム「TikTok Creator Marketplace」にある300以上の人気動画を分析し、最もエンゲージメント率の高い動画のパターンを見つけました。その結果を検証するために、ファーストパーティ調査を行い、ユーザーの感情と一致していることを確認しました。
TikTokクリエイター動画を最も魅力的にする要素
分析した動画の中で、エンゲージメント率が高いものには、以下のような特徴がみられました。
- 台本に縛られない
- ブランドを自然に組み込む
- トレンドを取り入れる
- 適切なコミュニティを選ぶ
それぞれの特徴およびコンテンツ立案の際に知っておくべきことを具体的に説明していきます。
1. 台本に縛られない
TikTokでは、「クリエイターの人柄」が見えるオーガニック的なコンテンツが、より高いエンゲージメント率を促進しています。
調査では、ユーザーの47%が「TikTok上のクリエイターのコンテンツが『本格的』だと感じる」と回答しています[2]。
例として、音声合成アプリPeechの動画をご紹介します。
Peechは、クリエイター@aminasnotokayを起用し、彼女らしさのある喋り方で製品の仕組みについて語るコンテンツを展開しました。
コンテンツに台本を使用する際の注意点
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❌ 決められた言葉を使わず、クリエイター自身の言葉で語らせましょう:視聴者は、誰かが書いたセリフだと見抜くことができるため、動画の本物感が薄れてしまいます。
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✅ クリエイターが商品に関する知識を有するために、十分な情報を共有しましょう:クリエイターの知識量は、消費者がTikTokで見た商品を購入する可能性を高める、No.1のモチベーションとなります。
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✅ 長文のCTAはキャプションの中に入れましょう:クリエイターから「リンクはプロフィールで」「マイコードを使ってね」と言われると、動画のエンターテインメント性が薄れる可能性があります。このようなメッセージは、キャプションに入れることで、興味のあるユーザーにプレッシャーを与えることなく、情報を届けることができます。
2. ブランドを自然に組み込む
エンターテインメント性の高いストーリーは、視聴者の心をつかむカギとなります。5人に4人のユーザーが「TikTokはとても面白い」または「非常に面白い」と回答しており、視聴者は、エンターテイメント性の低い広告よりも、エンターテイメント性の高い広告を26%長く視聴しています[3]。
また、ブランドが動画に自然に組み込まれると、視聴者はより魅力を感じます。クリエイターが個性を表現したストーリーテリングや独自の特徴を活かしてブランドコンテンツを制作することで、視聴者は楽しみながら親しめる、エンターテインメント性の高い動画を見ることができます。
例として、Lyftの動画をご紹介します。
クリエイターの@heytonytvは、副校長キャラクターを主人公にしたコント動画で知られており、Lyftとのキャンペーンではそのキャラクターを活用し、オーガニックで楽しく面白い動画を制作しました。
ブランドを自然に組み込む際の注意点
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✅ クリエイターのスタイルに沿ったコンテンツを作ってもらいましょう:クリエイター自身が得意な領域から逸脱させることは、視聴者に不自然に映り、不誠実な印象を与えてしまう可能性があります。
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✅ ストーリー展開にゆとりを持たせましょう:ストーリーの構想が確立する前に急いでブランドを組み込むよりも、動画の後半でブランドを強くアピールした方が、エンゲージメント率を向上させる可能性があります。
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❌ 意味のないフックを作らないようにしましょう:チームメンバーやクリエイターに、動画についての感想や意見を聞いてみましょう。彼らにとって違和感がある場合、視聴者にも同じような印象を与えることになります。
3. トレンドを取り入れる
TikTokは現在、トレンドの先駆けとも言える存在ですが、すべてのトレンドが同じ効果がもたらすわけではありません。そのため、ブランドとクリエイターにとって適切なトレンドを選ぶことが重要です。これにより、コンテンツは最も自然で真摯なものとなり、ブランドのトレンドへの理解力を示すことができます。
調査では、77%のユーザーが「TikTokでトレンドを作成したり、参加したりするブランドに対して好感を抱いている」と回答しています[4]。
例として、King’s Hawaiianの動画をご紹介します。
家族経営のパンブランドKing’s Hawaiianの最近のキャンペーンでは、「#CookWithMe」のトレンドを取り入れることで、「Slider Sunday」の先駆けとなりました。
クリエイターの@wereennistogetherと提携、彼が独自のアレンジを施し、King’s Hawaiianのパンが日曜の食事をさらに豪華にする方法を紹介しました。
トレンドを取り入れる際の注意点
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✅クリエイターが過去に利用したことのあるトレンドを活用しましょう:ダンスなどの非常に人気のあるトレンドに参加することは、ユーザーとの共通の話題を作る絶好の方法です。しかし、クリエイターがキャンペーンの一環として初めてダンス動画を作成した場合、視聴者には不誠実に感じられる可能性があります。
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❌ 特定のスタイルやトーンに縛られないようにしましょう:調査では、78%のユーザーが「優れたブランドは、TikTokでさまざまなテーマや興味に関する動画を作成している」と回答しています[4]。
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✅ 長期的なトレンドを活用しましょう:「バズる」トレンドにとらわれず、ASMRなど長期的なトレンドを活用しましょう。また、トレンドを生み出すクリエイターとの関係を築くことも重要です。「TikTokクリエイティブセンター」のトレンドツールを活用してさまざまなTikTokトレンドを入手し、プラットフォーム上で最も人気のあるトレンドを探求しましょう。
4. 適切なコミュニティを選ぶ
TikTokのサブカルチャーを活用することで、ブランドに適したオーディエンスを見つけることができます。関連トレンドを選ぶことと同様に、ブランドに合致するサブカルチャーを選択することも重要です。そして、繊細かつ効果的な方法でコミュニティに参加することで、視聴者との絆を築くことができます。
調査では、ユーザーの70%が「TikTokでコミュニティの一員であると感じる」、76%が「ブランドがTikTok上で、自分が興味関心を持つコミュニティの一員となることが好きだ」と回答しています[4]。
適切なコミュニティを選ぶ際の注意点
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✅ 隣接するコミュニティとの関係を築くことで、視聴者を深く結びつけましょう:異なる特徴を持つコミュニティであっても、接点や関連性を発見することができれば、関係を築くことができます。例えば、あるホームウェアブランドがゲームクリエイターと提携し、収納用品をゲーム部屋のトレンドの一環として紹介しました。(その際に使用したトレンド「#GamingSetup」の動画再生回数は現在130億回以上)「ホームウェア」と「ゲーミング」コミュニティには直接的な関連性はありませんが、その製品の特徴が2つのコミュニティを結びつけました。
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❌ すべてのコミュニティで同じ価値観を持たせることはできません:もし、ホームウェアブランドがゲームクリエイターに対して、「#FoodTok」コミュニティでの専門用語の使用を求めた場合、「ゲーミング」コミュニティには受け入れられません。なぜなら、すべてのコミュニティの価値観が同じではないからです。また、もし「 #GamerTok」クリエイターに対して「#fitcheck」を投稿するように依頼した場合、クリエイターの通常のスタイルとは関係がないため、視聴者は混乱してしまい、おそらくその動画に関与しないでしょう。
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✅ ミームや専門用語を活用してもらいましょう:クリエイターには可能な限り、コミュニティ独自の専門用語やミームを活用してもらいましょう。彼らがそのコミュニティの言語やジョークなどを引用するなど、コミュニティを理解していることが明確になるような要素を取り入れることで、視聴者との信頼関係をより築くことができます。
出典
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GWI, “Connecting The Dots,” 2023
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TikTok Marketing Science Global Creators Drive Commerce Study 2022 conducted by Material. Note: Users bought a product directly on TikTok, online elsewhere, or in-person. Creator advertising in this case means a creator Spark Ad (organic content promoted by a brand) OR a brand’s In-Feed Ad featuring a creator (paid partnership).
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TikTok Marketing Science Global Entertaining Ads Study 2022 conducted by Marketcast
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TikTok Marketing Science Global Community and Self-Expression Study 2021 conducted by Flamingo